<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第2部・支え/2 前主将の3年生、チーム鼓舞 連勝する姿が見たい /千葉
1月末の専大松戸のグラウンド。センバツに向けて練習する野球部員の中に、3年生の加藤大悟さん(18)の姿があった。自らマスクをかぶり、捕手たちに配球や守備についてアドバイスする。 加藤さんは野球部の先代の主将だ。1年生の春と2年生の夏、チームは甲子園に出場したが、自分たちが最上級生になった昨年は全国の舞台には手が届かなかった。後輩たちの快挙に少しうらやましさを感じつつも、「本当にうれしい」と自分のことのように喜ぶ。 新チーム発足直後の後輩たちの姿は、加藤さんの目には頼りなく映っていた。「これで大丈夫だろうか」。昨夏の新チーム発足直後にグラウンドを訪れた時、不安でいっぱいになったという。チームを引っ張る選手がおらず、どこか自信がなさそうな雰囲気が漂っていたからだ。 それでも、必死でボールに食らいつく姿に「強くなりたい」という意思を感じた。「自分にできることは最大限やろう」。それからは毎日のように練習に顔を出し、手伝うようになった。 新チームをまとめることになった大森准弥主将(2年)にとって、加藤さんは良き相談相手だ。昨年9月ごろ、リーダーとしての振る舞いに悩む大森に加藤さんはこう助言した。「どんな方法でもいい。チームで一番勝ちたいという気持ちを出せ」。大森はこの言葉をきっかけに吹っ切れ、積極的に声を出すようになった。 こうして新チームは、加藤さんたちの世代の持ち味だった「ベンチの明るさ」を受け継いだ。昨年の秋季大会では、苦しい展開でも明るく仲間を鼓舞し、次々と接戦をものにして関東大会準優勝まで駆け上がった。 「専大松戸は甲子園で2回勝ったことがないので、連勝するところが見たい」と加藤さん。後輩たちが母校の歴史を塗り替えることを願い、精いっぱいの声援を送る。=つづく