楽天6連敗で5位転落。梨田監督「連敗のことを考えないようにしたい」
2-2で迎えた延長11回一死走者無し。オリックス小谷野のこの日2本目となる決勝アーチが、レフトスタンドに突き刺さる。楽天のグループ各社が総動員をかけ4万人を超える人で埋まった東京ドームになんともいえぬザワメキだけがこだました。 打たれたのは、またしても戸村。17日のソフトバンク戦で、吉村の“本塁打劇場”の幕引きをしてしまった右腕だ。2日前の悪夢のソフトバンク戦でスクランブル登板し2イニングを投げた戸村を梨田監督は、「本当ならもっと早いところで。こうい形になって申し訳なかった」とかばった。 むしろ楽天の6連敗の問題は、1点のリードを3番手の福山が守れなかったことにある。先発回避となった辛島の代役先発となった塩見は、緩急をうまく使い、よく投げた。6回3分の1を投げ5安打1失点は合格だ。 だが、1点差の8回に登板した福山は、先頭のボグゼビックに死球を与え、バントで送られ一死二塁の局面を作られた。二死三塁までこぎつけたが、ここで一塁が空いていたにもかかわらず3番の糸井との勝負を選ぶ。追い込んだが、インサイドのストレートをギリギリにカットされた様子からすると、糸井の意識はセンターから逆方向にあった。だが、福山が嶋のサインに首を振って選択したボールは、おっつけるには最適の膝元を狙ったスライダーだった。やや左にそれた打球に福山はとびつきグラブに当てたが、それで打球の方向が変わって、結果的に決勝の内野安打になった。 梨田監督は、「グラブに触れていなければ平凡なショートゴロ」と悔やむ。 「福山は運動神経がよすぎるので、本能的に飛びついてしまった。グラブに触れなければ、平凡なショート正面のゴロだろう。グラブに当てるぐらいなら、しっかりと捕球しないと」 そもそも1点を取られたら同点の展開で糸井との勝負が正解だったのか。続くモレルは4番といえど打率.234で穴だらけ、まだ本塁打はゼロで一発の恐怖もない。またセンターから反対方向にワンヒットでいいと考えている糸井に対して、インサイドスライダーの配球の選択は間違っていなかったのか。 梨田監督に疑問をぶつけると、「結果球として、実質はショートゴロだった。決して間違いではない」と、福山の選択をかばった。