一美和成が岡山加入後初ゴール! 亡くなった祖父へ、休暇を認めてくれたチームへ…魂の“恩返し”弾
[10.27 J2第36節 横浜FC 2-4 岡山 ニッパツ] 今節に臨む特別な思いがあった。ファジアーノ岡山FW一美和成は後半2分にチーム3点目となるゴール。今週亡くなった祖父に、そして故郷に帰るため休みを認めてくれたチームに、恩返しの意味を込めたものだった。 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 首位・横浜FCを相手に、前半に2得点を奪った。さらに勢いに乗るべく、躍動したのは一美。後半2分、味方の縦パスを収めてボールを運びながら相手をプレスをかわし切る。「ちょっと周りは見えてなかったです(笑)」。視線の先はゴールのみ。ドリブルで駆け抜けて右足を一閃し、ゴールに突き刺した。 京都サンガF.C.から今夏加入した。試合にはコンスタントに出続けるが、ゴールは遠かった。シーズン残り3試合となった今節、待望の加入後初ゴール。「ようやくチームに貢献できた」。そう安堵する一美は「メンバー外の選手もすごく応援してくれた。そういう部分も含めて、チーム一丸となって頑張っていきたい」と仲間にも感謝の思いを口にした。 熊本に住む80歳の祖父が亡くなった。遠方のため観戦は少なかったというが、祖父は配信サイトでは一美の勇姿を見届けていたという。「陰ながら応援してくれるのは知っていた。小さいときから一緒に暮らしていた」。一美は今年に入ってお見舞いに足を運んでいたというが、最期には立ち会えず。訃報を聞き、急きょ熊本に帰った。 シーズン佳境という状況だが、クラブは一美の帰省を了承した。「チームには休みを頂いて、抜ける期間があった」。それでも首位との大一番に起用されたことに、一美は感謝を語る。「そのなかでも使ってもらって、自分自身すごく恩返ししたい気持ちがあった」。一美にとって2020シーズンに所属していた古巣相手ということもあり、「気合も入っていた。点を取ることができてよかった」と喜びを語った。 6位以内のJ1昇格プレーオフ出場という熾烈な戦いは続く。残り2試合に向け、一美は「負けられない戦い」と気を引き締めた。「残り2試合で全部勝って、プレーオフにいい弾みをつけたい」。自らも活躍を続け、昇格に導くつもりだ。