特養の仕事のやり方を統一 5法人が動画を制作
武蔵野療園(駒野登志夫理事長)や湘北福祉郷(飯村芳樹理事長)など五つの社会福祉法人は、特別養護老人ホームなどでの仕事のやり方を統一するための動画を制作した。介護の技術に関して属人的なやり方をやめ、生産性の向上を目指すのが狙いだという。 制作にあたり5法人は3年前から議論を開始し、施設の業務をすべて洗い出した。その上で、数分から最長20分程度で54講座をまとめており、すべてを合わせると12時間程度の動画だという。 具体的には入浴、食事、着脱といった介助について、目的や手順、NG行動などを動画で解説。申し送りやレクリエーションなどを説明する講座もある。 制作したのは、多くの施設で深刻な課題となっている人材不足が理由だ。 飯村理事長が職場を辞めた職員にヒアリングしたところ、多くがケアの方法に納得できないと答えていた。しかも人間関係の悪化を恐れ、職場で声を上げることなく静かに辞めていくケースが多かったという。 飯村理事長は「利用者の移乗一つ見ても、仕事を教えた先輩職員によって職場内でやり方と考え方にばらつきが出る。現場で属人的なやり方をできるだけ排除する必要がある」と話す。同時に職員の育成を効率化し、現場の生産性を高める狙いもある。 講座は外国人の介護職でも学べるよう、英語とベトナム語にも対応。問い合わせも多いことなどから、ほかの法人にも講座を共有することを予定している。