“高反発禁止”の12球団Jr.に選ばれる資質は? 元G守護神が説く「落ちるのも早い」子の特徴
低反発に負けない“振る力”…保護者へは「コミュニケーションを大切にして」
打撃面でポイントに挙げたのが“振る力”だ。学童野球では来年から、打球部にウレタンなどの素材を用いた大人用「高反発バット」の公式戦使用が禁止される。ジュニアトーナメントでは先んじて2022年から金属・木製バットの使用に制限されているが、普段自チームで高反発バットを使っていると、ジュニア入りした時に“ギャップ”を感じてしまう選手も少なくないという。 「金属や木製は、しっかり振らなければ強い当たりを飛ばすことができません。当てに行くのではなく、強く振れる子というのは見ていますね。遠くに飛ばす能力は魅力ですが、きちんと捉えていないのに(バットの性能で)飛んでいくのでは意味がありません」 今後のジュニア入りに憧れる小学生を持つ保護者にも伝えたいことがある。意思疎通の大切さだ。「お子さんが試合で打てなかった、四球を出してしまった。そういう時に『なんでできないんだ』ではなく、『なぜそうなったのか』を聞いてからアドバイスしてほしいですね」。時には叱ることも必要かもしれないが、まずはコミュニケーションをしっかり取ることで、伸び伸びプレーできる環境を作ってほしいと訴える。 2022年は決勝で阪神に惜敗。129キロ左腕・藤森一生投手(現駿台学園)ら有力選手を擁した昨年も準優勝にとどまった。「2年連続2位なので、今年こそは優勝したいですね」。選手たちの将来を見据えつつ、チームとして10年ぶり、自身としては初の頂点を目指す。
高橋幸司 / Koji Takahashi