【バレー】トヨタ車体・周田夏紀 春高優勝、文武両道の優等生が経験した戸惑い。「コートに入るのが怖かった。”すべてをやろうとしなくていい” 同期・大川愛海の言葉に救われました」 Ⅴ1女子
――難しさを感じていた半年間、入れ替わるように新加入の長野有紗選手が試合で活躍しました。長野選手は後半どんどん調子を上げてきて、今すごく輝いている選手の一人になっています。長野選手を見て少し焦る気持ちなどは? 周田:長野選手、有紗さんとはとても仲が良いんです。ライバルっていう感じではなくて、助けてもらってる先輩の一人ですね。普段からお互いに切磋琢磨というか、「今日ここが上手くいかなかったんだよね」とか、「ここがこうなってるんじゃないですか?」みたいなそういう話もしていて。有紗さんはキャリアもありますし、自分はまだ同じ土俵に立っているとは思えてなくて。まず見習うところをしっかり見習って、その中で「じゃあ自分にしか出せないものって何かな」って。そういうことを模索しています。 ――仲の良いお姉さんみたいな感じなんですね。 周田:はい、そうですね(笑)。それから有紗さんの練習メニューには自分も参加させてもらっていて、それが今のスパイクのヒントにもなっています。黒鷲旗は大川と有紗さんのおかげで良い舞台になったと思っています。 ――長野選手から「周田選手のここが良い」という話は聞いてますか? 周田:うちは夏場、ミドルもバックアタックの練習をやったりするんですよ。 自分は高校の時に高い打点で打っていたこともあって、ハイセットを打つことに苦手意識はそんなになくて。有紗さんから 「ミドルでもしっかりパイプでハードヒットできるんだね。すごい勇気を貰ってるんだ」 って言ってもらったことがあって。 (少し恥ずかしそうに)嬉しかったですね。でも有紗さんも普段からすごいスパイクを打つので(笑)。 ――いよいよ来季はSVリーグに。これからプレーヤーとしてどう成長していきたいと思っていますか。 周田:入団1年目、2年目は「絶対スタメンで出てやる」っていう、その闘志でオフの練習に取り組んできました。 でも、今シーズン「たくさん人に助けてもらったな」ってすごく思っていて。 後半戦はフロントでの出動機会が減ってしまったんですけど、その代わりサーブとか他のところで価値を見出すことができました。 スタメンが絶対じゃなくて、「それでもいいんだ」っていうのを、すごく学んだシーズンだったんです。 もちろん自分がコートに出て、活躍したいっていうのはあります。でもチームのために1点でも取れたらいいなって、心から思えるようになって。 「チームの役に立てるんだったら」 そう思えるようになったのは、自分にとってはすごく前向きな変化なんじゃないかなって感じています。 貪欲さも持ちながら、「やることは一杯あるぞ」っていうことも忘れずに次のシーズンを頑張りたいと思っています。