ボクシング内紛問題が泥沼化。JBC責任者の辞任示唆でも解決せず
渡辺会長は、「浦谷さんの辞任後の人事に協会は関与できないが、浦谷さんが辞めて最高裁の判決通りに安河内さんが復職するならば、今後については、安河内さんと建設的な話ができるし、JBCの理事の問題や、月に一度のペースでJBCの財政をチェックするプロジェクトなど、いろんな問題を改善していける」と、主張。松尾会長の裁判闘争をストップするためにも、浦谷氏の辞任と引き換えにJBCと和解することが先決で、安河内氏が復職すれば、今後、また改善していけると、金平副会長を説得したが、両者の対立は平行線のまま。結局、協会側の意見をまとめることができず、JBCとの合意記者会見も流れることになった。 浦谷総括本部長は、「協会側の話がまとまらないので、なんとも協議のしようがないし、私が辞める問題も、そもそも協会側から提案してきたもの。私が辞めればすべてをまとめるというので了承しただけ」と、辞任の考えをいったん白紙に戻したことを明らかにした。また協会の金平副会長が抱いた疑念に関しては、「一般会計として、まとめられているお金に色はないが、協会側が納得いかないということで、別口座にしただけ。今は、毎年、健康管理見舞金残高相当額計算書を協会に提出することになっていて、それを協会が認めたのだから何の問題もない」と、JBC側の健保金の扱いと会計について問題のないことを主張した。 泥沼の様相になってきたボクシング界の内紛問題の今後は、どうなるのか? 解決の目処はあるのか? 実は7月30日に行われた松尾会長の会見後にJBC側が態度を硬化、協会側に要望書を提出していた。 「JBCが、健保金の扱いになんら法的問題がないことを回答書という形で返答したにもかかわらず、松尾氏が、記者会見をするなど、メディアに報道させたのは、名誉毀損の行動。協会員に対する松尾氏にどんな処分を下すのか」との質問と、「松尾氏のライセンス取り消し、及び、名誉毀損に対する刑事、民事訴訟。もし松尾氏が、刑事告発した場合、JBC側は虚偽告発罪での刑事告発で反訴する考えであること」を文書で伝えた。この日、浦谷統括本部長は、「もし松尾氏が刑事告発した場合、こちらも対応する準備がある」という法廷での対決姿勢を改めて表明した。