「マユは相当、気合い入ってた」石川真佑から伝わった“怒り”の感情…不完全燃焼カナダ戦の鬱憤晴らした豪快スパイク〈女子バレー五輪決定秘話〉
パリ五輪行きを決めた翌日。相手はベストメンバーが出ていないとはいえ、東京五輪で銅メダルを獲得しているセルビア。勝つか負けるかで世界ランキングの順位にも影響する。 【画像】「成徳スーパー1年生の石川真佑」←黒後先輩と2ショット今見るとエモい…!『ジェラートぱくぱくマユ』『紗理那キャプのパキパキ腹筋』『TBS新夕アナに笑顔でアイコンタクト』などTVでは映らない女子バレー魅力満載ショットを見る(100枚超) ポイントは、ここまでチームとして課題としてきた立ち上がり。セルビアに先取点を許した後、日本はどうやって1点を獲るのか。 決めたのは、石川真佑だった。 前衛レフトからクロスに叩きつけたスパイク。力の乗り具合もスピードも抜群で、決めた直後のハイタッチも最上段のスタンドにいても聞こえるのではないかと思うほど、バチーン、と力強い。 「自分がしっかり決めきろう、という思いでした。気合も入っていました」 溢れる喜びと同時に、別の感情も伝わって来た。怒りだ。
カナダ戦、交代を命じられた
前々日の6月13日、勝てばパリ五輪出場が決定したカナダ戦。スターティングメンバーとして出場した石川は、序盤から気持ちよくスパイクを叩きこんでいた。しかし、サーブの受数が増え、得意なコースには相手のブロックとレシーブが揃っていた。ブロックを利用しようと試みるスパイクがわずかにアウトとなるシーンが続き、第2セット終盤に交代を命じられた。 第3セットが始まる段階で石川自身は「戻る準備はできていた」と振り返ったが、攻撃面で高い貢献度を見せた井上愛里沙がそのままコートに残り、得点を重ねる。 この日、石川が再びコートに立つ機会は最後まで訪れなかった。 試合もカナダに3セットを取り返され、逆転負け。テレビカメラや多くの記者に囲まれたミックスゾーンで石川は言葉少なだった。 挽回のチャンスが訪れぬまま敗れた試合から1日。その間にパリ五輪出場が決まった。 ずっと目標に掲げてきたパリ五輪出場というミッションを達成したのだから、「嬉しい」のピースがもう1つ増えたはず。でも、前述の一本は怒りや悔しさが上回っているように見えた。セルビア戦のミックスゾーンで「怒りの一打?」と尋ねると、石川はニヤリと笑う。 「悔しさはありました。でも、それだけじゃなく、(スパイクは)全体的によかったし、ただ打ち切るだけでなく、ブロックを利用して決めることもできた。そういう部分が出せたのはよかったです」 悔しいと感じた理由は、交代を命じられたことや試合に敗れたことだけではない。ネーションズリーグを通じて「自信」が芽生えていたからだ。
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