AI需要で蘇生するスリーマイル島原発、マイクロソフトが電力購入へ
(ブルームバーグ): 米国のスリーマイル島原子力発電所が再稼働に踏み出す。その背景にあるのは、人工知能(AI)ブームを支えるための電力需要だ。同原発を所有するコンステレーション・エナジーは16億ドル(約2300億円)を投じて再稼働させ、そこで生み出すカーボンフリー電力の総量をマイクロソフトに売却する。
コンステレーション・エナジーが20日発表した文書によると、ペンシルベニア州にある同原発は2028年の再稼働が見込まれている。同原発の2号機は米国史上最悪の原発事故を起こして1979年に閉鎖され、1号機も採算悪化を理由に2019年に運転を停止した。コンステレーションは1号機の再稼働を計画している。
マイクロソフトはスリーマイル島原発で発生した電力を20年間購入することで合意している。金銭面の条件などは開示されていない。
今回の合意は、AI向けの電力需要が急増する中で原子力産業への関心が高まっていることを示す最新の事例となる。より安価な天然ガスや再生可能エネルギーとの競争激化に直面し、過去約10年で10基余りの原子炉が停止された。しかし工場や自動車、特にデータセンターからの電力需要が増大し、二酸化炭素を排出しない電力を24時間供給できる原発への関心が再び高まっている。
コンステレーションのジョー・ドミンゲス最高経営責任者(CEO)は「政策当局者と市場の意識は大きく変わった」インタビューで指摘。「これらの核資産に頼らなければ、この国の未来のバージョンは描けない」と語った。
20日の米株式市場でコンステレーションの株価は一時15%余り上昇。
原題:Microsoft’s AI Power Needs Revival of Three Mile Island (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Will Wade