52歳の会社員、夫婦で教員をやっている姉は「2人で年金が40万円しかない」と心配していました。わが家は「20万円」のようですが、老後の生活費はいくら必要でしょうか…?
50代になり老後が近づくと、年金をいくらもらえるのか気になる人は多いでしょう。身近な親族の年金受給額が、自分よりかなり多いと聞くと不安は大きくなるものではないでしょうか。また、どれくらいの費用で、どんな老後生活が送れるのか知りたいと思う人も多いかもしれません。 そこで本記事では、老後に夫婦世帯が平均的な暮らしを送るために必要な金額と、少しぜいたくしながらゆとりある生活を送るために必要な金額を試算し、比較して解説します。併せて、年金だけでは生活費が不足する場合の老後資金対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
老後に最低限必要な生活費はいくらぐらい?
まず、老後に平均的な暮らしを送るのに必要な生活費から考えてみましょう。 総務省統計局が公表している家計調査報告の「2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、図表1のとおり、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は平均で月額約25万円です。これに社会保険料などの非消費支出約3万円を合わせると、月約28万円が必要になります。 図表1
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要 また、公益財団法人生命保険文化センターが2022年度に行った「生活保障に関する調査」には、「老後を夫婦2人で暮らしていく日常生活費の月々最低必要な額」のアンケートがあり、結果は図表2のとおりで「20万~25 万円未満」が 27.5%で最多となり、平均は23万2000円でした。 図表2
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える? 老後に必要な生活費は、個人のライフスタイルの違い、持ち家か賃貸かなど資産の状況でも大きく変わるため、一概には言えません。しかし、この2つの調査結果を見ると、月額23万~28万円程度が、夫婦世帯が老後に平均的な暮らしを送る生活費の目安と考えても、差し支えなさそうです。 そう考えると「月20万円しか年金がない」世帯は、年金だけでは日々の生活費が不足するため、老後に向けてしっかりとした備えが必要になります。