「寄付額1兆円突破」で改めて問われるふるさと納税の意義
ふるさと納税を新たなまちづくりに活用する自治体も増えている。茨城県鹿嶋市では、地元の中学生と事業者が連携して返礼品を開発するプロジェクトを実施している。写真は鹿島神宮西の一之鳥居(写真:深澤保二/PIXTA)
年々市場が拡大し、多くの人に普及した「ふるさと納税」。各自治体の特産品を返礼品としてもらえることで人気化しましたが、税金を納める自治体や、その使い道を個人が選ぶことができる制度でもあります。本連載「 ふるさと納税『超』最前線 」では、ふるさと納税ポータルサイト大手「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクで長年自治体職員と付き合い、ふるさと納税市場の変化を間近で見てきた宗形深さんに、最前線の注目情報を教えてもらいます。ふるさと納税の寄付額は2023年度に初めて1兆円を突破した。2008年に制度が施行されてから2013年までの5年間は、おおむね100億円規模で推移していたが、10年弱で100倍の1兆円にまで成長した。 ふるさとチョイスは、黎明期である2012年に立ち上がり、それ以来さまざまな変遷を見てきた。今回は、ふるさと納税の歴史を黎明期、拡大期、発展期に分けて紹介したい。後半では、その過程で生まれた新しい自治体の取り組みとなる先進事例を挙げた。
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宗形深