【札幌記念】理想は「非サンデー系の実績馬」 重要データ「前走クラス」からレース傾向を解説
有力馬の血統解説
・プログノーシス 昨年は4馬身差で圧勝し、次走の天皇賞(秋)でも3着を確保。GⅠ勝ちはないものの、ここ1年の実績はメンバー中最上位の評価で間違いないでしょう。ディープインパクト産駒でありながらイギリス産の母ヴェルダの影響が強く、兄には2013年チェヴァリーパークS勝ち馬Vordaなどがいる血統背景。金鯱賞→クイーンエリザベスⅡ世C→札幌記念というローテーションは昨年と同じで、今年も中心の一頭です。 ・シャフリヤール 母ドバイマジェスティは2010年BCフィリー&メアスプリントを制した短距離馬で、本馬の全兄には2017年皐月賞と2019年大阪杯を制したアルアインがいます。馬体重500kg超のアルアインに対して、本馬は460kg前後の小柄な馬体。これは、父ディープインパクトの影響が強いことを表し、芝中長距離で脚をタメた時の瞬発力は現役屈指のモノを持っています。その分、非主流血統向きの札幌記念では相対的にパフォーマンスを落とす可能性が高いでしょう。 ・ジオグリフ 母アロマティコは2012年秋華賞と2013年エリザベス女王杯の3着馬。父はStorm Cat系のドレフォンで、非サンデーサイレンス系の両親の仔らしく2022年皐月賞など小回りコースで高いパフォーマンスを発揮しています。前々走の大阪杯では0.3秒差5着、前走の安田記念では0.5秒差6着などGⅠでも差のない競馬を見せており、今回も上位争いに加わってくるでしょう。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大