BMW MハイブリッドV8が初のワン・ツー達成。“恐竜ポルシェ”はGTクラス最後尾から大逆転/IMSA第10戦インディアナポリス
9月22日、アメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『TireRack.com・バトル・オン・ザ・ブリックス』の決勝が行われ、フィリップ・エング/イェッセ・クローン組24号車BMW MハイブリッドV8が優勝。姉妹車の25号車BMWがこれに続き、BMW MチームRLLがワン・ツー・フィニッシュを飾った。 【写真】第10戦『TireRack.com・バトル・オン・ザ・ブリックス』のスタートシーン 2024年シーズンの第10戦、ミシュラン・エンデュランス・カップとしてはデイトナ、セブリング、ザ・グレンに続く4つめのラウンドとして、インディアナポリスを象徴する歴史的なトラックで開催された6時間レースは、小雨が次第に強くなるなかで始まった。スタート時点ではスリックタイヤが最適な状況だったが、30分を過ぎたあたりから雨脚が強まる。スタートから45分後に導入されたフルコース・コーションは、トラックサービスクルーが溜まった水を取り除くため1時間近く続くこととなった。 残り時間が4時間に迫ったところでレースが再開されると、雨が止んだこともあり路面は徐々に乾いていく。この中盤から終盤にかけては、GTPクラスだけでも8台のマシンが入れ替わりにレースをリードする展開に。そんななかエングがドライブする24号車BMWは、残り時間が46分となったところでルイ・デレトラズ駆る40号車アキュラARX-06(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)を抜きトップに浮上した。 その後、彼はチームメイトで2番手に浮上してきたコナー・デ・フィリップ駆る25号車BMWからプレッシャーを受けることとなったが、粘り強い走りでチェッカーまでトップのポジションを譲らず。結果、1.647秒差で姉妹車から逃げ切りGTPクラス初優勝を飾った。 BMW MハイブリッドV8の優勝は、昨季のザ・グレンで25号車がレース後の繰り上がりでレースウイナーになって以来2度目だ。なおレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが運営するBMW MチームRLLにとっては、ハイブリッド化されたIMSAのトップカテゴリーで初めてのワン・ツー・フィニッシュとなっている。 2台のBMWに続き3位表彰台に立ったのは、6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のニック・タンディとマシュー・ジャミネのペアだ。彼らは今大会後、非公式ながら選手権リーダーである姉妹車7号車ポルシェのデイン・キャメロン/フェリペ・ナッセ組との点差を14ポイントに縮めている。その7号車はレースの序盤戦をリードしていたが、パワーステアリングの問題を抱えクラス9位/総合17位に終わった。 このほかにも今大会ではGTPクラスでトラブルやアクシデントが相次いだことにより、JDCミラー・モータースポーツの85号車ポルシェ963が今季ベストリザルトとなる4位を獲得。これに続いたWTRアンドレッティの10号車と40号車のアキュラ勢が5位、6位につけている。 LMP2クラスでは、TDSレーシングの11号車オレカ07・ギブソン(スティーブン・トーマス/ミケル・イェンセン/チャーリー・イーストウッド組)がウイナーに。 GTDプロは、最低地上高の違反でポールポジションが取り消されあと計56台のGTエントリーの最後尾からレースを開始することとなった、AOレーシングの“レキシー”こと77号車ポルシェ911 GT3 R(ラウリン・ハインリッヒ/ミカエル・クリステンセン組)が大逆転優勝を達成。GTDではライト・モータースポーツの120号車ポルシェ911 GT3 R(アダム・アデルソン/エリオット・スキアー/ジャン・ヘイレン組)がクラス優勝を飾った。なお第10戦の正式結果は、GTP車両の“延長技術検査”が終了する24日(火)以降に確定する予定だ。 ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は、いよいよシーズン最終戦。10時間で争われる恒例の『モチュール・プチ・ル・マン』の決勝は、10月12日(土)にジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで開催される。 [オートスポーツweb 2024年09月23日]