バレーボールの「世界最高峰のリーグ」を目指す。SVリーグ 大河正明チェアマン インタビュー
―― 経営的な成長について、現状はいかがですか?
9月11日の理事会後の会見でも言いましたが、昨シーズンのVリーグの収入は8億円です。Bリーグが発足する直前の、合流前のbjリーグとNBLも合わせて8億円ですから一緒です。
2024-25シーズン(2025年6月期)の予算作りは今やっている途中ですが、上手くすると30億を超える規模まで成長します。4倍近くまで来ていて、そのお金を色々なものに投資できるようになります。
―― 昨年お話を聞いたときは「何をやるにもまずお金がない」と嘆いてらっしゃったので劇的な変化ですね。SVリーグは「プロリーグ」という言い方はしていないと思いますが、観客や視聴者は「プロ」として楽しめるエンターテイメントになると理解していいでしょうか?
特に男子はそうです。女子は少し時間かかるかもしれません。「選手が誰から報酬をもらっているのか」を考えると、やはりチケットを買ってくれている人、パートナーになってくれている企業です。
直接報酬を出してもらっているわけではないですが、メディアや場所を貸してくださる行政も大切なパートナーです。そこに対してしっかり向き合い、ホームアリーナの確立と地域密着をしっかりやっていけば、SVリーグは自ずと成長するはずです。
―― 手応えはいかがですか?
正直、バスケットボールを始めたときよりはあります。どこを回っても石川祐希(イタリア・ペルージャ)、高橋藍(高ははしご高/サントリーサンバーズ大阪)、西田有志(大阪ブルテオン)と選手名がどんどん出てきます。Bリーグのときは「田臥勇太(日本人初のNBAプレイヤー)がいるね」くらいでした。あとはチームに「稼ぐ文化」ができるかどうかです。
―― 大河さんは創生期のJリーグに出向した経験もあり、Bリーグは開幕時のチェアマンです。両リーグの「立ち上げ」と比較してどうですか?
端的に言うと、BリーグとJリーグはゼロからのスタートができました。SVリーグは「今あるものを走らせている人が、SVリーグのこともやる」という動きです。Vリーグを回しつつ、SVリーグを作っていくのは大変な作業でした。