バレーボールの「世界最高峰のリーグ」を目指す。SVリーグ 大河正明チェアマン インタビュー
一方でバレーボールはラグビーと同じで、代表もそれなりの結果が出ているし、変える理由が分かりにくいという状況もあります。あと、「中」で変えようとすると大きな変化は難しいし、何が変わったかも分かりにくくなりがちです。
―― 今回「ここが変わった」というポイントはどこですか?
実はガバナンスです。オン・ザ・コートで外国籍選手が1人から2人になったとか、中継にベンチが映るようになるとか、細かい変化はあります。でも、それが抜本的な変化かといえばそうではなくて、「決め方」の変化が大きいです。
例えば、JリーグとBリーグは、「実行委員会」でいろいろな議論をして理事会に持ち込む仕組みです。Vリーグは実行委員会に当たる会議がありませんでした。運営会議はありますが、参加者は各チームの競技運営担当だったり、場合によっては監督だったり、GMだったり様々です。
チームの中で競技、強化に一家言ある人が出席していました。社長ではない、権限を委譲されたわけでもない人が集まって、その人たちの意見をリーグが伺う会議体でした。
そもそも、実行委員会は競技のルールを決める会議とは違います。事業計画とか、お客を増やすためにどうするとか、経営面も含めて組織を強くしていくことが最終目標です。それに自分たちが面倒くさくなることは、みんな変えたがらないじゃないですか?
だから、何も変わってこなかったわけです。物事の決め方を変えたところが、実は一番大きなところです。
―― ベンチの位置が変わったんですね
今まではサッカーと一緒で、ベンチがカメラ側で「背中」しか映らない位置でした。これからは中継や配信に「顔」が映るようになります。
ただ、バレーボールの競技性については変わりません。バレーボールは「帰りの下駄を履くまで」分からないスポーツです。この間のイタリア戦(パリ五輪・男子準々決勝)は記憶に新しい例 ですが、本当に「あと1点」から、逆転の起こる面白さがあります。選手の人気、魅力も間違いなくあります。大切なのは「経営力」「競技力」「影響力」の3つだと思っていますが、経営力をまず変えることが大切です。