【日本一寒い町でテント泊?】超過酷だからこそ見られる絶景「真冬の北海道で雪中泊できるおすすめキャンプ場」3選
■真冬の湖畔沿いで絶景キャンプ
3つ目は、屈斜路湖にある「和琴半島キャンプフィールド」です。 グリーンシーズンの屈斜路湖は、リゾートホテルやペンションが立ち並んでいて、真夏でも涼しく、多くの観光客が訪れる人気スポット。しかし、真冬ともなると話は別で、あまりに過酷な環境下なのでリゾートホテルは真冬は休業になるほどです。そんな過酷な真冬の屈斜路湖で、土日のみですがキャンプができるのが、和琴半島キャンプフィールドです。 訪れた時には、「そんな過酷な場所なら、自分達以外は誰もいないだろう」なんて思っていたのですが、そんなことはありませんでした。たぶん、道民だと思われるベテランキャンパーの強者たちが、湖畔沿いのサイトを覆い尽くしていました。 キャンプサイトは湖畔沿いにあり、受付順に場所を振り分けられるスタイルです。しかし、広大な敷地なので、そこまで焦らなくても一杯になる心配はないかと思います。 テントを湖畔沿いに張れば、どこのサイトも目の前は湖です。できれば、窓や入り口を湖畔の方に向けてテントを張ると良いでしょう。温かいコーヒーを飲んでくつろいだり、ご飯を食べながら湖を眺められるのは、至福の時間かと思います。 屈斜路湖は、清流として知られる釧路川の源流でもあります。釧路川はカヌーツーリングの聖地でもあり、グリーンシーズンにはカナディアンカヌーやフォールディングカヤックなど、色とりどりの船が湖面を行き来しています。自分もかれこれ4年前に、屈斜路湖から太平洋までの100kmを息子とカヌーツーリングしたことを思い出しながら、温かい飲み物を飲んで物思いにふけりました。 屈斜路湖は温泉地でもあります。和琴半島には、グリーンシーズンなら露天風呂付きの日帰り温泉があるのですが、冬は当然営業していません。キャンプ場から少し離れた摩周の町まで足を延ばせば、冬でも日帰り温泉をやっている旅館やホテルが見つかります。キャンプ後は、寒くなった身体を芯から温めるのが良いと思います。 もしも、風が吹いてなければ、気持ちの良い冬のツンとした冷たい空気の中で、焚き火をしてみてはいかがでしょうか? 雪中キャンプはどうしてもテントの中に閉じこもってしまいがちですが、白い世界に覆われた湖を見ながら、外で焚き火をするのも良いものですよ。 猪俣慎吾(いのまたしんご) キャンプが趣味のフォトグラファー。7 年間写真スタジオに勤め、その後独立。フォトグラファーとして活動する傍ら、キャンプコーディネーターとしても活動している。アウトドアグループ「KIPPIS」主宰。日本オートキャンプ協会インストラクター。星空案内人(R)。10 月に『絶景CAMPGUIDE』(JTB パブリッシング)を出版したばかり
猪俣 慎吾