新選組ゆかりの日野宿本陣で「お雛さまを愛でる会」
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近藤勇や土方歳三ら新選組ゆかりの地である日野宿本陣(東京都日野市)で、明治・大正時代などのひな人形を展示する「お雛さまを愛(め)でる会」が開かれています。2010年から開催されており、今回で8回目となります。
このイベントは、日野宿本陣を活用して同市を活性化させる施策の一環として企画されました。新選組が活動していた約150年前の人々が、一体何を楽しみにしていたのかを知ってもらおうという狙いがあります。 本陣内には、明治時代初期につくられた「古今雛(こきんびな)」と呼ばれる種類のひな人形や、大正時代の「御殿雛(ごてんびな)」などのひな人形が100体以上展示されています。
ひな人形の催しとあって、女性の来場者の姿が目立ちます。飾りつけを担当した室礼(しつらい※儀式に合わせて室内を装飾すること)講師の枝川寿子さん(73)は「来場した女性は、華やかな雰囲気とともに、“子供の時こういう風に飾ってもらった”など懐かしさも感じているのでしょう」と話します。 夫に誘われて一緒にやってきたという立川市の女性(62)は、「古いひな人形から、子供を愛でるその時代の人々の気持ちが伝わってきました」と笑顔で話し、小平市の主婦(73)は「古いひな人形がきれいな姿でこれだけの数が残っているなんて」と感激していました。
東京都指定史跡の日野宿本陣は、江戸時代末期に建てられました。近藤や土方、沖田総司、井上源三郎といった新選組の面々が若かりしころ剣の修行に励んだ場所であり、その後もたびたび土方ら隊士が訪れるなど、新選組になじみの深い宿として知られています。 入館料は一般200円、小・中学生50円、開館時間は午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)。3月5日までの開催です(2月27日は休館)。 (取材・文:具志堅浩二)