【EXIT りんたろー。】育児を振り返る。「駅も、美容室も、社会の見え方が変わった」 ここでしか言えないモヤモヤ・葛藤も告白
赤ちゃん誕生前から現在までを振り返り! そのときどきの、りんたろー。さんの心の内は!?
――妻・杏奈さんが妊娠9カ月だったときから、現在までの気持ちの変遷を振り返っていただきたいと思います。【杏奈さんの妊娠9カ月、10カ月ごろは? 】 りんたろー。 だんだん、出産が現実味を帯びてきました。出産は着実に迫っているのだけれど、自分の気持ちがまだ追いついていないような感覚で。「パパになれるのかな?」「どういう感じなんだろう?」と、とにかく不安。杏ちゃんの体調が心配で、出かけてほしくないと思う一方で、気分転換も必要だと思い複雑な気分でした。LINEや電話がくる度に、ビクビク。パパになるスイッチは、少しずつ入っていったように思います。 ――【誕生から生後3カ月ごろは? 】 りんたろー。 生後0カ月から3カ月までが、いちばんしんどかったです。生まれたときもパパになったという実感よりも、「壊しちゃいけない」「おっかない」という気持ちが大きかったです。そもそも、抱っこのしかたもわからないし、首もすわっていないから不安が多くて…。赤ちゃんを落としてしまう夢もみていましたね。ガチガチに体に力が入っていて、腕が腱鞘炎(けんしょうえん)になりました。「これはいいかも!」というあやし方が2日後には通用しなくなったりして、夫婦でテンパっていましたね。トライ&エラーが出まくる中で、最適解を探していきました。 赤ちゃんは2~3時間おきに起きるし、昼間に杏ちゃんが頑張っている分、夜は僕が頑張らなきゃという気持ち。でも、朝には仕事が迫っている。どうしたら、赤ちゃんが泣きやむかもイマイチわからず「初めて感」ばかりで不安が募りました。今思うと、自分自身にプレッシャーをかけて疲れてしまっていたのかもしれません。まわりからは「赤ちゃんがかわいくて、すぐ帰りたくなっちゃうでしょう?」を言われるんですが、当時、杏ちゃんが大変だからとか、責任感から帰らなきゃ、という感じが強かったですね。赤ちゃんの反応も泣くだけだったし、まわりからの祝福と実情がうまくリンクしている感じがなく、それもしんどかったのかもしれません。率直な気持ちは、「先輩たちはよくやっていたな! というか、どうやって乗り越えていたの?」。ほかの人から「頑張っているね」と声をかけられると、もちろんうれしいけれど、「皆さんやってきたことだし、当たり前だよな」と思う自分もいました。 ――【生後4カ月・5カ月ごろは? 】 りんたろー。 赤ちゃんが生後4・5カ月ごろ、僕の気持ちも徐々に上がってきました。夫婦お互いに、お互いに「ノウハウ」ができ、それぞれの得意分野がわかるように。それまでは、夫婦でぶつかっていましたが、それが自然に減っていきました。 ――【生後6カ月以降は? 】 りんたろー。 赤ちゃんの笑顔が増えたことに救われました。あやして笑顔が返ってきたときに、これまでの頑張りが肯定された気がしたんですね。もしかしたらその感覚は、僕よりも杏ちゃんのほうが強かったんじゃないかな? 赤ちゃんのリアクションが豊かになり、大人も笑えることが増えていって、あえて夫婦で言葉にはしていないですけど、明らかに楽しい時間も増えていきました。僕もそうですが、杏ちゃんに余裕が出てきたなって、感じます。6カ月くらいから僕にも、「早く家に帰りたい」って感覚がわかるように。仕事の合間にも「写真送ってよ」とか言うようになって、家族の写真共有アプリの更新があったらすぐにチェックするようになりました。 ――育児で感じたような感情の起伏は、これまでの人生にはありましたか? りんたろー。 ないと思います。大人になってから、こんなに初めてのことだらけってあんまりないじゃないですか? それに、ダルければ辞められることが多いし、あきらめることもできるじゃないですか? でも育児は、そういうわけにはいかないですもんね。今までの経験があまり生かされないし、テンパりました。 最近、Xで見つけて読んでいる漫画があるんです。『僕と帰ってこない妻』って知っていますか? ある夫婦に子どもができる話なんですけど、お互いのイライラしたりとか、無神経な感じとか、めちゃくちゃリアルなんです。「この気持ち、僕は言葉にはしなかったけれど、どっかで思っていたんじゃないかな?」みたいな感じで、あるあるが詰まっています。めっちゃ勉強になります。これからパパ&ママになる人はもちろん、独身の人にもオススメです! ――寝不足などでしんどかったときを、りんたろー。さんはどのように乗り越えていましたか。 りんたろー。 もともと睡眠時間が短いからな…。でも、僕の場合は「お笑い」という特殊な職場に救われたと思います。どれだけしんどくても、スタッフも共演者も超明るいしおもしろいし! 一方で、妻はめちゃくちゃ大変だったと思います。僕の場合は、育児がどれだけ大変でも、翌朝、仕事に行けば解放されますからね。まわりの人が、パパ友になってくれて話を聞いてくれることもありました。 でも、仕事をしているからこそ、大変なこともありました。あるときは、深夜0時まで生放送の収録があって、次の仕事が朝5時集合…。家で4時間は寝たいんですけど、赤ちゃんの目が覚める時間と重なったりして。あやして寝かしつけようとするも、僕の「明日早いんだぞ~」「まだ寝ないのか~」というあせりが伝わるのか、そんなときに限って寝ないんです。 パパ友が「こちらのマインドも、子どもに伝わる」と教えてくれてからは、「大丈夫、大丈夫」「ワンチャン寝なくても大丈夫!」と、大きく構えられるように。そんな気持ちでいると、不思議なことに赤ちゃんは寝るんですよね。そんな感じで、だんだん要領をつかんでいきました。 ――パパになる前と後で、大きく変わったなぁと思うことはありますか? りんたろー。 駅も、美容室も、社会の見方が変わりましたし、想像力の解像度が上がりました。「赤ちゃんがいる世界を想像できない自分」にも気づけました。そして、人のなにげない優しさも、かみしめられるようになりました。 先日、テレビ番組の収録で、「はじめてのおつかい」のVTRを見たんですが、街の人が優しいだけでも涙腺が崩壊。涙のロケットスタートが早すぎて。心を鬼にして見守るとかできるかな? などと、お父さんの気持ちを想像すると、また涙がぶわーっとあふれ出てしまいました。こんなに早く泣き出してしまって大丈夫? と、ふと隣に目をやると、アナウンサーの羽鳥慎一さんも、すでに泣いていました。間にはさまれていたかねち(相方・兼近大樹さん)は、相当やりづらかったと思います(笑) もう1つは、1日の時間の使い方が変わりました。子どもが生まれるまでは、休みの日はゆっくりお昼まで寝て、なんてことができましたが、今は休日だろうがなんだろうが赤ちゃんが6時半に起きます。1日のスタート時間が変えられません。なので、育児を軸にして、休みの日のスケジュールも立てるように。朝寝坊で体力回復ができない分、普段からいかに早く寝るかを考え、赤ちゃんとのお出かけで心のリフレッシュをはかります。それでも疲れが結構たまってくると、杏ちゃんが朝9時くらいまで寝かせてくれるときも。そういう日は、「ありがとう」を忘れないようにします。 ――これまでの育児で、「これは想定外!」とか「だれか教えておいてくれればよかったのに…」と思うことはありますか? りんたろー。 もっと、先輩ママ・パパたちには弱音を吐いておいてほしかったです。パパになってみて、「こんなに大変なのに、なんで、みんなは普通に生活できていたの? どういうこと?」と思いました。子どもが生まれて幸せいっぱいそうで、バリバリ仕事もして…。えっ、僕もそう見えていましたか? ――杏奈さんからの、りんたろー。さんのパパとしての評価は? りんたろー。 杏ちゃんからコメントをもらってきました!読み上げます。 「★★★★★です! お休みが月に1、2回あるかないかで毎日疲れていると思うのですが、遅く帰ってきても犬の散歩に行ってくれて、離乳食もあげてくれてすごく助かっています。仲のいいママ友と会ったときに、基本、旦那の話になるのですが、『りんちゃんスゴイよ! ウチは全然やってくれないよ。ほめて優しくしてあげて!』と言われます(笑)。産後イライラしてしまうことが増えてしまっていたので、優しくしてあげたいと思います。調子に乗るので、普段はあんまり言わないのですが…(笑)。最高のパパだと思います!」 ――自分のパパとしての頑張り度は何点くらいでしょうか? 自己採点してください! りんたろー。 ★★★ です。できる時間はマジで頑張っているんですけど、平日は朝と夜だけなので圧倒的に育児にかかわる時間が少ないと感じています。なので、星3つかな。ママがいてくれるからこそ、育児がまわっていると思います。杏ちゃんからは星5つもらいましたが、その割に怒られ過ぎてるなあ、とも思います!(笑) お話・写真提供/りんたろー。さん 取材・文/小竹美沙、たまごクラブ編集部 赤ちゃん誕生前からの約1年間を振り返り、そのときそのときの心境を率直に語ってくれた、りんたろー。さん。「想像力の解像度が上がり、社会の見方が変わる」という言葉に、これまで杏奈さんと一緒に積み重ねてきたものが凝縮されているように思います。
りんたろー。さん
PROFILE 1986年生まれ、静岡県出身。吉本興業所属。2017年に兼近大樹さんとお笑いコンビEXITを結成し、以降、バラエティ番組を中心に活躍。特技はサッカー、フットサル、介護。趣味は、美容、ジム、お酒、カラオケ。2022年8月にタレントの本郷杏奈さんと結婚。2023年11月、第一子が誕生。 ●記事の内容は2024年11月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部