トランプ氏暗殺の試みか、ゴルフ場から逃走の男拘束-前大統領は無事
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領が所有するフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場で15日、ライフルを所持していた男を見つけたシークレットサービス(米大統領警護隊)が発砲した。トランプ氏は無事だった。米連邦捜査局(FBI)は「トランプ前大統領の暗殺を試みたとみられる事件として捜査中だ」とした。
連邦当局によると、男は身柄を拘束され、ライアン・ラウス容疑者(58)と特定された。CNNによれば、同容疑者は1966年生まれでハワイ州在住。過去に軽犯罪で8回逮捕されたことがある。
トランプ氏の暗殺未遂は2回目となる。同氏は7月13日、ペンシルベニア州バトラーで集会に臨んでいた際にも銃撃され、耳をけがした。集会に参加していた支持者1人が死亡し、2人が負傷した。犯人のトーマス・マシュー・クルックス(20)はその場で警備側の狙撃手に銃殺された。
トランプ氏の選挙陣営とシークレットサービスは、同氏が無事だと説明。前大統領がゴルフをしていた時、ライフルの所持者は推定300-500ヤード(約270-460メートル)の距離にいたと、当局者は明らかにした。
パームビーチ郡保安当局のリック・ブラッドショー氏は記者団に対し、男は現場から逃走したが、その後、男の車は州間高速道路95号線で制止され、警察に身柄を拘束された。
「男が隠れていた茂みにはスコープ付きのAK47式ライフル」と2つのバックパック、ゴープロのカメラが見つかったとブラッドショー氏は説明。「コース上にいたシークレットサービスの捜査官は素晴らしい仕事をした」と語った。
ペンシルベニア州での暗殺未遂事件後に設置された超党派の議会タスクフォースは、フロリダ州で起きた今回の事件についても調査を行うと表明した。
トランプ氏はその後、支持者へのメッセージで「命を再び狙われたことで私の決意はさらに強まった!」と書いた。
トランプ氏は、10日のハリス副大統領とのテレビ討論会で守勢に立たされたが、全国的な関心が今回の事件にシフトすることで立て直しの機会を得る可能性もある。