今年で「りぼん」創刊70周年!人気作家12名の描き下ろしイラスト&表紙で振り返る歴代人気作たち
『こどものおもちゃ』〈小花美穂(おばなみほ)・著〉
1994年8月号~1998年11月号で連載。子役として芸能活動をしている小学6年生の倉田紗南と、同級生でクラス1の問題児・羽山秋人との交流を軸に描かれる。コメディとして笑える要素がある一方で、当時の社会問題となっていた学級崩壊や体罰など、シリアスな要素も多く盛り込まれている。連載開始当初小学6年生だった紗南は、読者にとっても身近な存在であり、彼女が恋心を自覚したり、中学生になる過程で気持ちが揺れ動いていく様子が注目された。1996年にはTVアニメ化、2015年には「りぼん」創刊60周年を記念して舞台化。1999年には、物語の中で、紗南が全身全霊で向き合った映画作品『水の館』のストーリーを描いた読切まんがも掲載し、人気を博した。コミックス全7巻(文庫版)。
『ご近所物語』〈矢沢(やざわ)あい・著〉
1995年2月号~1997年10月号で連載。矢沢芸術学院(通称・ヤザガク)の服飾科に通う主人公の幸田実果子が、自身のブランドを持つという夢に向かって邁進する姿や、幼馴染の山口ツトムとの恋愛模様を描いた学園ラブストーリー。仲間たちと自分たちの手でフリーマーケットサークルを立ち上げ、自分の“かわいい”や“好き”を貫く登場人物たちのファッションやヘアメイクは、多くの読者の憧れとなった。また、サークルに所属する生徒たちの複雑で緻密な心理描写から、恋の甘さや苦さ、葛藤しながらも将来を見据え成長する姿を描き出し、現在も時代を超え、国内外で支持を集めている。1995年にはTVアニメ化もされた。コミックス全5巻(文庫版)。
『神風怪盗ジャンヌ』〈種村有菜(たねむらありな)・著〉
1998年2月号~2000年7月号で連載。16歳の高校生・日下部まろんが、夜は絵画を盗む“神風怪盗ジャンヌ”として活躍する姿を描いた、学園ファンタジー作品。怪盗をしながら実は絵画に潜む“悪魔”を回収しているという斬新な設定や、同級生の名古屋稚空とジャンヌの前に現れた天敵・怪盗シンドバッド、それぞれの相棒の凖天使など、キャラクターの過去や関係性がクライマックスにむかって繋がっていくストーリーが熱い支持を得た。種村有菜氏が描く、緻密で華やかな絵柄も、多くの読者と作家に衝撃と影響を与えた。1999年にはTVアニメ化もされた。コミックス全5巻(文庫版)。