いま患者数が数倍に「片頭痛」の対処法は?頭痛慢性化も…薬の飲み過ぎ「MOH」に注意 西山茉希も悩み
薬剤の使用過多による頭痛「MOH」
こうした片頭痛に多くの人が悩む中、問題になっていることも…。 薬の飲み過ぎなどが引き起こす、頭痛「MOH(Medication-overuse headache)」(エムオーエイチ)です。 市販薬などを過剰に飲むことで頭痛が悪化し、慢性化してしまうというもの。 最近、MOHの患者が増えてきているといいます。 日常的に頭痛がある人が市販薬・処方薬を過剰に飲んでしまうと、脳内の痛み中枢が敏感になり少しの痛みでも頭痛が起きるようになり、さらに薬を飲む回数が増え慢性的な頭痛になるという負のスパイラルが続いてしまうのがMOHです。 ではMOHにならないために薬をどのように飲めばいいのか? 下畑さんによると、薬を飲むタイミングは予防的に飲むと痛みが慢性化しやすいため、痛みが出始めて飲むのが効果的だといいます。頭痛薬を月に10日以上飲む人は病院で受診をした方がいいということです。 2021年に保険適用も 最新の予防薬が登場
片頭痛 最新の予防薬「CGRP関連抗体薬」
薬を飲んでも頭痛が取れないという人もいますがここ数年で頭痛薬の治療は大きく進歩しています。 2021年に3種類の片頭痛予防薬が保険適用となりました。「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)関連抗体薬」といわれるもので、用法は皮下注射で基本的に月1回。費用は保険適用3割負担の場合、約1万2000円~1万4000円。 下畑さんによると、この予防薬によって頭痛の日数が半減した患者が約7割、頭痛がなくなる患者もいたとのことです。まれにアナフィラキシーの症状が出ることもありますが、副作用は少ないということです。 ――なぜこの予防薬は効果が高いのでしょうか? 朝日大学病院 下畑敬子頭痛専門医: 今までも予防薬はあったんですけれども、血圧の薬とか抗うつ薬とか抗てんかん薬がたまたま片頭痛にも効いたっていうものだったんですね。ところがこのCGRP関連抗体薬というのは片頭痛の病態に基づいて作られたお薬ですので、早く効いて効果も非常に良くて、副作用も少ないですし、注射なので飲み忘れもないですし、非常に画期的なお薬だと思っています。いままで効かなかった方にもかなり効く方が多いのでこちらも驚いています。 ――誰でも受けられるのでしょうか? もともとの病気が片頭痛であるということが大事です。緊張型頭痛や他の頭痛には効きません。月に4回以上発作があって、それまでに内服の予防薬が1種類以上効かなかった方、18歳以上の方が現在適用になっています。 ――CGRP関連抗体薬は使い続けても大丈夫なのでしょうか? 長期効果でそれほど副作用はないというのはあるんですけど、やはり使えないタイプの方もいらっしゃいますし、ずっと一生使うわけではなくて、頭痛の頻度が元の半分になれば、一旦やめるということもできるので気軽に導入していただければと思います。 朝日大学病院 下畑敬子頭痛専門医: 片頭痛に悩んでいる方たくさんいらっしゃると思います。我慢している方とか、片頭痛の時って動けないので病院を受診できなくて「頭痛がないときに病院に行ってもいいのかしら?」って遠慮されている方もいると思うんですけれども、ぜひ気軽に頭痛外来、頭痛専門医がいる医療機関を受診していただければと思います。そうすると正しい情報と診断と正しい治療も受けられますので、QOLを改善することができますから、どうぞよろしくお願いします。 (『めざまし8』 2024年6月20日放送より)
めざまし8