台湾なら「入社1年目で900万円」なのに…台湾人が「日本の賃金が安すぎてびっくりした」と言った根本原因
日本が世界の工場になれる可能性
永濱:ただ逆に言えば、それくらい人件費が割安なわけです。だから日本に工場を持ってくると、コスト面では非常に有利なわけです。 かつ、日本は人材育成に力を入れはじめています。TSMC熊本工場の影響もあると思いますが、熊本大学には半導体デバイス工学課程が新設されました。また、九州各地の高専でも半導体教育を拡充しています。日本の教育現場全体を見ても、理系人材を増やそうという機運が高まっています。 これらを考えると、半導体の製造は日本が代替できる余地は広がるでしょうし、アメリカもリスク分散の面からそれに期待していると思います。 そもそも、円安はアメリカにとっても好ましくありません。日本からの輸入が増えて貿易収支が悪化しますので。にもかかわらず、アメリカがあえて円安を容認しているのは、日本が中国に代わりハイテク製品の生産拠点になることを期待している側面もあるのではないでしょうか。この動きが、日本経済復活のきっかけになると思っています。 『「トランプ当選が円安に終止符を打つ」…大統領選に振り回される日本が「アメリカに一矢報いる」驚愕の秘策とは』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ