フュートレック&エーアイ、日本発「音声連合」が挑む難所
フュートレックは独自の音声認識技術を有している(イメージ写真:Graphs/PIXTA)
「経営統合の基本合意ができたことは、独自の音声認識技術の開発を進めるうえで、とてもよいことと認識している」――。フュートレック(2468)の西田明弘社長は東洋経済の取材に対し、そのように総括してみせた。 1月16日の株式取引終了後、音声認識技術を擁するフュートレックは、音声合成技術を擁するエーアイ(4388)との経営統合に関する基本合意書締結について公表した。 もともとフュートレックはエーアイと2019年に業務提携していた。それが2023年5月には資本業務提携へ進み、エーアイは同年6月に貨幣処理・決済機器メーカーのグローリー(6457)が保有していたフュートレック株を公開買い付けし、フュートレックを関連会社としていた(現時点での所有議決権比率は40.54%)。 さらに今回、ついに今年10月1日付で「両社の合併を基本」として経営統合することで基本合意したものだ。 「株式を取得される際や、取得後に設立した資本業務提携委員会の場などで、さまざまな議論を深めていく中、音声関連技術として両社が同じチームとして活動したほうがよい、例えば音声認識技術と音声合成技術の両方を組み込んだ音声対話技術の開発など相乗効果も見込めると思われた。監査費用をはじめ両社の上場維持費用もそれぞれかなりの金額であるため、そうした費用が少なくなることによる合理化効果も見込める」と、経営統合の意思決定に至った経緯について、西田社長は語る。
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石井 洋平