【J1昇格PO】岡山が悲願のJ1切符獲得!追加点の本山「今年こそって全員が思っていた」
◇明治安田J2リーグ・J1昇格プレーオフ決勝 岡山2―0仙台(2024年12月7日 岡山・シティライトスタジアム) ファジアーノ岡山が、初のJ1昇格を決めた。J2の今季3~6位のクラブで争うJ1昇格プレーオフ(PO)決勝が7日に行われ、岡山(J2・5位)がホームでベガルタ仙台(同6位)に2―0で勝利。2006年にクラブ創設し、09年のJ2初参戦から15年で悲願を達成した。 前半20分にゴール前での混戦からのこぼれ球に反応したMF末吉塁が浮き球シュート。このボールが相手GK林の頭上を越えてゴールネット右隅に吸い込まれた。 この先制弾にホームに集まったサポーターを含め、イレブンらが大喜び。木山監督は地面に膝をつく渾身のガッツポーズで歓喜した。試合の主導権を握る大きなゴール。そのまま1-0でハーフタイムを迎えた。 後半8分には相手MFオナイウのドリブル突破からピンチを招いたが、GKスベンド・ブローダーセンが好セーブでしのいだ。同16分には途中出場のFWルカオがペナルティーエリア中央でボールを持つと、右サイドからフリーで走り込んできたDF本山遥にパス。本山の右足シュートは相手DFに当たってコースが変わったが、そのままゴールネットに突き刺さった。 この日スタジアムに詰めかけたサポーターは1万4673人。背中を後押ししてくれた多くのホームのサポーターとともに歓喜の瞬間を迎えた。試合終了の笛が響くと、イレブンはピッチ上で号泣。木山監督も両腕を突き上げてガッツポーズを見せた。 試合後、取材に応じた本山は「本当にうれしい気持ちしかないです。ルカオが完璧なパスをくれたので後は振り抜くだけでした」と充実感たっぷりで振り返った。この日の試合については「ファジアーノのエンブレムを背負っている選手は全員ハードワークできる文化があるチーム。自分が入団してからその部分だけは本当にずっと凄かった部分なので、POの2試合で発揮された」と振り返った。 無失点での勝利については「まずは前線の選手が強い守備をしてくれて、押し込まれたとしても後ろの選手が体を張って、最後にはブロ(ブローダーセン)がいる。そういう守り方は1年間通して自信を持ってやってきた部分なので今日はゼロで終えられたのかなと思う」と胸を張った。 サポーターに向けても「僕はこのチームでプロになったんですけど、入った時からこのチームの温かさと応援してくれる、いつも側にいてくれる存在はとても心強かった。去年も一昨年も悔しい思いをさせてしまって、今年こそって全員が思っていた。今日こうやって勝てて本当によかったと思います」と感謝の言葉を口にした。 これが3度目の正直だった。クラブ初のJ1昇格PO進出を果たした16年は決勝でC大阪に敗れた。木山監督体制たスタートした22年にはJ1参入POに進み、J2最上位の3位として戦うも1回戦で敗退。 木山監督は「一昨年の時は数年ぶりのPOで、最上位だったので(周囲の)期待があったが、それをものにすることができなかった。その時、どこかまだ足りないと思う気持ちもありながら戦っていたことを覚えてる」と振り返る。あれから2年。「昇格することだけを見据えて戦ってきた」という指揮官の下、クラブ、チーム、ファン、サポーターが一丸となり、悲願を成就させた。