中畑清氏 巨人OB集結で感じた90年の重み 来季日本一期待
【キヨシスタイル!】気持ち良かったなあ。スターになった気分だったよ。11月30日、東京ドームで行われた巨人の「ファンフェスタ2024」。最後に球団創設90周年特別セレモニーが行われてさ。約130人のOBがグラウンドに立ったんだ。 バックスクリーン右のフェンスが開いて、そこから歩いて入場。センターから入るなんて初体験だよ。OB会長としてあいさつさせてもらってさ。スタンドを埋めた4万631人のファンと一体になれた気がしたよ。 歴代監督の長嶋茂雄さん、王貞治さん、堀内恒夫さん、原辰徳、高橋由伸、阿部慎之助、V9戦士の城之内邦雄さん、柴田勲さん、高田繁さん、末次利光さん…。張本勲さんも元気な姿を見せてくれた。ともに戦った江川卓、定岡正二、角盈男…。こんな大勢のOBが一堂に会するのは初めてじゃないかな。 つくづく90年の重みを感じたね。今年のプロ野球を見ても、ポストシーズンに、この日集まった巨人の先輩が少なからず関わっていた。 セ・リーグ3位から見事な下克上を果たしたDeNAにも「巨人のDNA」が入っていた。初代監督を務めた私じゃない。DeNA初年度からGMとしてチームをつくった高田さん、スカウト部長としていい選手をたくさん獲った吉田孝司さん。既に退いているけど、今の主力の多くは2人が集めた選手だ。 CSファイナルSで巨人を破ったDeNAが日本シリーズで倒したのはソフトバンク。王さんが監督、球団会長として築き上げてきたチームだ。その王さん、7日のOB会総会にも出席してくれて「勝負というのは本当に分からない。これは勝てる、と思う時が一番危ない」。いい話をしていただいた。 12球団初の女性オーナー、南場智子さんが涙を流して喜び、ファンも一緒に大泣きする感動的なシーンで幕を閉じたシーズン。巨人のOB会長としては言いにくいけど、いいプレーが続出して、CSの面白さが最高に発揮された年になったんじゃないかな。 伝統球団の節目の年に就任し、重圧のかかる中で4年ぶりのリーグ優勝を果たした阿部監督もよくやってくれた。来季はリーグ連覇し、CSを勝ち上がって日本一。期待している。(本紙評論家・中畑 清)