マイホームの固定資産税が増える設備とは?「こだわりを詰める」ほど税金負担増になる理由
近年では住宅用太陽光発電(10kW未満)の単年度導入件数は減少傾向にあるものの、戸建住宅総数に対する太陽光発電の普及率は10%近くになっているそうです。 ◆【写真3枚】設置するだけで固定資産税がアップ!?設置すると固定資産税が高くなる設備を紹介 特に新築住宅においては太陽光発電設備を導入するケースが多くなっています。 2023年3月に国土交通省住宅局が公表した「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると注文住宅における設置率が高く、新築注文住宅で42.7%、建て替え注文住宅では34.8%(注文住宅全体では41.9%)となっています。 一方で住宅を所有するようになると毎年必ず固定資産税の支払いが発生しますが、その際に屋根一体型の太陽光発電設備などの特定の設備が設置されていると、固定資産税が高くなってしまいます。 そこで本記事では固定資産税が高くなる設備と固定資産税を抑えるための工夫について紹介します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
固定資産税とは?
そもそも固定資産税とは、毎年1月1日時点での土地、家屋又は償却資産(これらを「固定資産」といいます)の所有者に対して、その固定資産の価格をもとに算定される税額を固定資産の所在する市町村が課税する税金のことをいいます。 しかし住宅に設置されている設備が税額に影響を与えていることを知らない人も多いようです。 新築住宅における固定資産税の計算のしかたは建物の構造や仕様・設備によって変わり、特に注文住宅の場合には建築主ごとに間取りや仕様・設備も大きく異なるので、たとえ同じ大きさの家であったとしても固定資産税の額が異なります。 一般的には高額でハイグレードな仕様・設備を採用するほど固定資産税が高くなる傾向があります。
固定資産税が高くなる設備とは?
一戸建住宅における固定資産税額は、新築後1年以内に自治体の職員によって行われる家屋調査の結果をもとに算出されますが、家屋調査では建物に使用されている建材や設備などを詳細にチェックした上で点数化していきます。 尚、点数化は総務省が告示している「固定資産評価基準」に記載された点数をもとに行なわれます。 一戸建住宅を建てた際に固定資産税が高くなる外壁材にはタイルや漆喰などがありますが、設備にも固定資産税が高くなるものが多いので注意が必要です。 そこでこの章では、固定資産税が高くなる代表的な設備を紹介します。 ●固定資産税が高くなる設備(1)ホームエレベーター 一般的にはそれほど普及率は高くありませんが、ホームエレベーターは他の設備と比較しても非常に高い評価点になるので、設置すると固定資産税が概算で年間2万5000円ほど高くなるようです。 したがって設置を検討する際には事前にデメリットをよく把握した上で設置の有無を決定することが大切になりますが、できるだけ1階だけで生活が完結するようなプランを考えることがより重要といえます。 ●固定資産税が高くなる設備(2)屋根一体型太陽光発電設備 屋根一体型太陽光発電設備(建材型ソーラーパネル)も固定資産税が高くなる代表的な設備になります。 ただし太陽光発電は設置することによるメリットも大きいので、単に固定資産税が増額することだけにとらわれないことが大切です。 ●固定資産税が高くなる設備(3)開閉可能な天窓 特に住宅密集地では建物内に自然光を取り入れたいために天窓を設置することが多いようですが、開閉可能な天窓を設置すると固定資産税が高くなります。 固定資産税を安く抑えたいのであれば、固定式の天窓を検討してみると良いでしょう。 ●固定資産税が高くなる設備(4)システムキッチン システムキッチンは現在の住宅では当たり前の設備になっていますが、固定資産税が高くなる設備のひとつです。 さらに間口が3m以上になると更に高額な固定資産税がかかるので注意が必要です。 ●固定資産税が高くなる設備(5)ビルトインエアコン ビルトインエアコンとは天井部分に埋め込まれて設置されているエアコンのことで主にオフィスビルなどで採用されていますが、近年では広いリビングルームが増えているので、住宅でも採用されることが多くなっています。 しかし通常の壁付けエアコンであれば評価点が加算されることはないのに対して、ビルトインエアコンを設置すると評価点が加算されて固定資産税が高くなってしまいます。 ●固定資産税が高くなる設備(6)床暖房設備 床暖房設備も設置すると評価額が上がってしまうので、固定資産税が高くなります。 尚、金額は床暖房の種類や設置した面積などにより異なります。 ●固定資産税が高くなる設備(7)第1種換気システム 第一種換気システムとは外気を取り入れる給気と住宅内の空気を外に出す排気の両方を、機械を用いて強制的に行って換気する方法ですが、この方法を採用すると固定資産税が高くなります。