最後の最後までもつれ込んだパリオリンピック代表権争い「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードパーク種目
ただ今大会のアメリカの主役はギャビンでもテイトでもなかった。バーチカルを主戦場に持つトム・シャーが強さを見せた。フェーズ1や上海大会ではいまひとつ満足いく結果を出せていなかった彼が今回見事なライディングで他選手を翻弄。ハイスピードかつハイエアーの中に「フロントサイド360ステールフィッシュグラブ」をはじめ、「ヒールフリップインディグラブ」や「バックサイド540テールグラブ」そして「キックフリップインディグラブ to フェイキー」など高難度トリックを取り入れたランをメイク。用意していたラストトリックはタイムアウト後になり加算されなかったが93.48ptを叩き出し暫定1位に躍り出た。 そのトムを追いかける形で90点超えのスコアをマークしたのは、東京オリンピック金メダリストのキーガン・パルマー。ハイエアーの「バックサイドアーリーウープノーズボーンミュートグラブ」をエクステンションで決めると、「フロントサイドトゥウィーク・リーンエアーメロングラブ」をメイクして92.58ptをマークし、暫定2位でアメリカ人選手勢のトップ争いに食い込んだ。
【ラン2本目】 ラン2本目は1本目と異なり、ミスが続くライディングでスコアを思うように伸ばせない選手もいる中、優勝争いを繰り広げているトムとキーガンはさらに最高得点を引き上げるなど熾烈な戦いが繰り広げられた。 2本目でまず自身最高得点を残したのは、16歳のニューフェイスで「WST Dubai」では3位入賞を収めたデンマークのヴィクター・ソルムンド。人一倍速いスピードでトリックを繰り出すライディングが特徴の彼は「バックサイド540テールグラブ」を皮切りに「バックサイド540メロングラブ」や「ヒールフリップインディグラブ」などグラブ系を中心したライディングを見せて87.76ptをマークした。 ヴィクターに続いて自身のスコアを上げてきたのはテイト。2本目では少しトリック構成をアップデートし、ディープエンドでの「バックサイド540ボディバリアル」そして最後は「ノーグラブバックサイド540」を決めるなどレベルを上げたランをフルメイクでまとめ91.90ptをマークしスコアを上げていく。 しかしテイトの追い上げをものともせず、さらにスコアを上げてきたのはトム。基本的には1本目と同じトリック構成で2本目もランを進めていく。ただ今回違ったのはその完成度。そして中盤で「アーリーウープキックフリップインディグラブ」にアップデートすると、1本目ではメイクしきれなかったラストトリック「ノーグラブバックサイド360」を見事メイクし、スコアを94.46ptまで引き上げてリードを広げた。 トムの優勝が現実味を帯び始める中で、彼をさらに上回ったのはキーガン。彼もトムと同様に1本目の同じトリック構成をベースに完成度を上げながら「バックサイド540ステールフィッシュグラブ」やヒップ越えの「アーリーウープバックサイド540インディグラブ」をメイクしてトムのスコアを僅かに上回る94.94ptをマークした。
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