最後の最後までもつれ込んだパリオリンピック代表権争い「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードパーク種目
【ラン3本目】 優勝するには95点台が必須になるという今シーズン最もレベルの高い決勝となった今大会。最終ランでは各選手がトムとキーガンを追う展開となったことで苦戦を強いられた。 まずこのランで決勝一番のスコアを残したのはフランスのヴィンセント・マテロン。スライドやグラインド系を多く使う彼は、2本目で失敗したラストトリックの「バックサイドノーズグラインド to ショービットアウト」を決め切ることはできなかったものの、彼のエクセキューションポイントにジャッジは評価し、今回自身最高得点の82.02ptというスコアとなった。 そして3本目でベストスコアを更新してきたのはアウグスト・アキオ。1本目・2本目とミスが続き一度もフルメイクができていない中で迎えた3本目。ライディング前に緊張を鎮めるため行ったジャグリングがプラスに働いたのか、ランでは「キックフリップインディグラブ」を皮切りに「アーリーウープヒールフリップインディグラブ」や「ハーフキャブブラントスライドフェイキー」。最後に「バックサイド540メロングラブ」をメイクするなどバラエティ豊富なトリックをメイクし90.48ptまでスコアを伸ばした。 そんなアウグストに続いて安定してスコアアップをしてきたのがテイト。暫定4位と表彰台獲得まであと一歩のところで迎えた3本目では「バックサイド540ボディバリアル」、「アーリーウープリーンエアー」そして「ノーグラブバックサイド540」をメイクするランでベストスコアを92.65ptとし、3位までスコアを伸ばしたが暫定2位のトムを超えることはできなかった。そしてこの瞬間トムの2位以上が確定したことでパリオリンピック出場権獲得が決まった。 そして最後に注目となったのはトムとキーガンの戦い。ただどちらもランをフルメイクできずスコアアップしなかったため順位は変わらず、キーガンが優勝しトムが2位という結果となった。このことから東京オリンピック金メダリストのキーガンがパリオリンピックでの2連覇に向けて弾みをつける大会となった一方で、トムがパリオリンピック出場権を獲得したことでジャガー・イートンはアメリカの3枠に残ることができず本戦での二刀流実現とはならなかった。
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