【注目の物流テック】Exotec Nihon、自動化倉庫を実現 サプライチェーン最適化も
倉庫自動化ソリューションを提供するExotec Nihon(エグゾテックニホン)は、倉庫作業の効率化だけでなく、導入先企業のサプライチェーン全体の最適化を支援し、事業の成長に貢献しているという。ECと店舗配送の処理時間の短縮や、トラックの荷待ち時間の大幅な削減を実現する。 同社が提供する「Skypod システム」は、三次元立体走行型搬送ロボットを中核とし、導入前後のコンサルティングや運用・保守を合わせたパッケージで提供している。 ラック(棚)ごと動かすAGV(無人搬送車)ではなく、秒速4メートルで走行するロボットが商材をステーション(ピッキングエリア)へ搬送する仕組みとなっている。高さ12㍍までのラックを設置できることから、従来比3~5倍の高密度保管を実現する。 <顧客の事業全体を俯瞰> 「物流は小売や卸事業者の根幹」(立脇竜社長)であることから、導入先のビジネス全体を理解し、事業やトレンドの変化に合わせた柔軟な対応が強みだ。 導入先とはマーケティング面でも協業するほか、導入先同士をつなぐネットワーキングの機会も設けているという。 2024年7月にみずほリースと提携し、システムの導入における選択肢を広げた。 「リース契約による資金調達や資産計上の自由度が向上し 、中小規模の企業にとっては導入ハードルが下がるだろう」(同)と話した。 「Skypodシステム」の強みは、倉庫全体を一元管理できるソフトウェアにある。1つのシステムでEC個配送と店舗配送の両方に対応できるため、効率的な運用が可能だ。出荷順序を配送ルートごとに順立て、実店舗向けには棚割やレイアウトにまで合わせて調整できるため、店舗スタッフの負担を大幅に軽減する。 「世界中の顧客のニーズを反映した標準化と、他社のシステムと連携する個別のカスタマイズの両方に注力している。小売企業においては、消費者の行動や嗜好の多様化に合わせてECと実店舗を最適化することで、売り上げにつなげる」(同)と説明した。 2024年11月11日、国際的なセキュリティー規格であるISO認証の取得を発表した。 「データの扱いなど、セキュリティー面は常に意識している。基準の厳しいEUや米国の規格に準拠し 、堅牢なシステムとして信頼を高めている」(同)と説明した。 同社は物流マテハン業界のトップ5入りを国内の事業目標としている。 今後については、「『顧客のビジネス全体を俯瞰した支援』のコンセプトを伝えるような発信面をさらに強化していきたい」(同)と意気込んだ。
日本ネット経済新聞