「日経平均3000円」予測で炎上した森永卓郎氏 スポンサーの“金融村”の意向に沿って「株価安定コメント」に終始するテレビの闇深さを断罪
番組でリニューアルされたのは私だけだった
問題は経済に精通しているわけでもない“エセ経済学者”たちが「株価の暴落はありえない」と口を揃えることだ。今回の私の炎上騒動は主にSNS上が舞台だったが、闇深いのはテレビである。証券会社など番組スポンサーとなっている金融村の意に沿って、「株価はまだ上がる」と言い続ける人物ばかりを重用している。まっとうな経済学者でさえ、スポンサーを逆なでする発言をすれば干されるため、「株価安定コメント」に終始しているのが現実だ。 私の場合、2023年5月に財務省をはじめとする日本経済の暗部を書いた『ザイム真理教』(三五館シンシャ)を発売して以降、情報報道番組から出演依頼がなくなった。あるプロデューサーからは、「番組全体をリニューアルすることになったので」と降板を言い渡されたが、翌月にその番組を見たら、リニューアルされたのは私だけだった。 唯一レギュラー出演が続いているのは、金融村がスポンサーについていないラジオ番組だけだ。これが日本のメディアの姿なのである。 リスクを正しく伝えず、夢だけを見せるエセ経済学者たちの罪はあまりに重い。 【プロフィール】 森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957年7月12日生まれ。東京都出身。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。近著に『身辺整理』(興陽館)『投資依存症』『書いてはいけない』(ともに三五館シンシャ)など。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中。 ※週刊ポスト2025年1月3・10日号
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