“ミッドレンジの王者”OPPOを猛追するモトローラ 「OPPO Reno11 A」vs「moto g64 5G」に注目
オウガ・ジャパンは、同社の“顔”ともいえるReno Aシリーズの最新モデル「OPPO Reno11 A」を発表した。6月27日に発売され、大手キャリアではソフトバンクのY!mobileと、楽天モバイルが取り扱う。IIJmioを筆頭に、MVNO各社でもオープンマーケット版が販売される。先代モデルはスペックがほぼ据え置きだったが、Reno11 Aはパフォーマンスを向上させ、カメラや急速充電なども全面的に刷新しているのが特徴だ。 【画像】OPPOを猛追するモトローラの新機種 Reno Aシリーズは、オープンマーケットのAndroidスマホとして販売台数1位をキープし続けている。シリーズ全体での累計出荷台数は210万台を突破。Reno11 Aの登場で、この数字はさらに拡大する見込みだ。一方で、そんなOPPOの座を狙うメーカーも台頭し始めている。Reno11 Aと同日に「moto g64 5G」を発表した、モトローラだ。日本仕様を取り入れ、コストパフォーマンスに優れたモデルという点で、2機種には共通点も多い。そんな両社の戦略を比較していきたい。
カメラや重電速度などの性能を大きく上げつつ価格は据え置き
2023年に発売された「Reno9 A」は、2022年モデルの「Reno7 A」を焼き直した1台だった。いわばマイナーチェンジといった位置付けで、プロセッサやカメラなどの性能は据え置きになっていた。これに対し、Reno11 Aはフルモデルチェンジといえるほど、それぞれの機能が進化している。ミッドレンジモデルであることに変わりはないが、パフォーマンスや充電速度、ディスプレイ、カメラなど、多くの機能が底上げされた。 プロセッサはMediaTekの「Dimensity 7050」。Qualcommの「Snapdragon 695 5G」を搭載していたReno7 AやReno9 Aに比べ、3割近くトータルでの処理能力は上がっている。よりパフォーマンスを求めるアプリに対応しやすくなったという点で、プロセッサを刷新した判断は正解だ。Reno 9Aではプロセッサが変わっていなかった点に不満の声も聞こえてきたが、OPPOとして、その意見に向き合ったといえる。 実際、単にベンチマークソフトのスコアが上がっただけでなく、Reno9 Aまでは非対応だった4K動画の撮影に対応するなど、パフォーマンスを向上させたメリットもしっかり出ている。また、OPPOの急速充電技術「SUPERVOOCフラッシュチャージ」は、最大67Wまで高速化。約48分で100%まで充電することができる。USB PDにも対応しているため、専用充電器がなくても最大55Wの急速充電が可能だ。 バッテリーの容量自体も、Reno9 Aの4500mAhから500mAh上がり、5000mAhに増加した。カメラはメインの広角カメラが6400万画素に上がった他、インカメラも3200万画素に。ディスプレイも0.3型大型化しているが、ベゼルを細くしたことで横幅は1mmアップにとどめている。さらにリフレッシュレートが90Hzから120Hzに上がり、スマホの基礎体力ともいえるスペックは軒並み向上している。 にもかかわらず、価格はほぼ据え置きだ。オープンマーケット版の希望小売価格は4万8800円(税込み、以下同)。Reno9 Aが4万6800円だったため、2000円の差しかない。1年前と比べ、円安が進行している他、物価も上がっている。機能が進化したことまで加味すれば、むしろコストパフォーマンスはReno9 A以上によくなったといってもいいだろう。Y!mobileや楽天モバイルに加え、8社のMVNOが取り扱いを表明しているのは、そのためだ。