「新だし開発プロジェクト」で販売数が激増!ブランドの“本質的な価値”を探りながらサービスに還元する、すかいらーくグループのコミュニティ活用術【対談】
コミュニティの声を吸い上げ、さまざまな検証を実施
小父内 コミュニティを運営するなかで、印象的なユーザーのことやエピソードなどがあれば教えてください。 岡田 本当にコミュニティにはさまざまな方がいらっしゃるのですが、その中でも印象的だったのが、日常の中でしゃぶ葉を利用していただいている方が多くいらっしゃることです。今までの私のイメージとしては、しゃぶ葉は1年に1回とか半年に1回とか、誕生日などのイベントや頑張った時のご褒美として利用していただく機会が多いと思っていました。 しかし、あるお客様は毎週水曜日、お子様の習い事の帰りに必ずしゃぶ葉をご利用いただいているというのです。非日常を楽しめるお店という認識だったのですが、日常の中で利用されているのは驚きでしたし、そのようなお客様がいらっしゃるのを知ることができたのは、コミュニティだからこそだと思いました。 また、コミュニティに参加していただいているのは来店頻度が高く、ロイヤルティの高い方が多いのですが、その方たちは平日のランチの、時間無制限で一番お得に利用できる時間帯を狙っていることもわかりました。 小父内 しゃぶ葉の知識があり、理解が深い、ロイヤル顧客ならではの利用傾向ですね。コミュニティ運営では、顧客の声の収集もしやすいと思うのですが、どのように活用していますか? 岡田 「しゃぶ葉行ったよ報告」などのトークメニューに寄せられる声を分析し、どんなことが話題化しやすく反応が良いのかを把握したり、月に1回程度、アンケートを実施しており、先月の来店回数、誰と行ったのか、どの時間帯に行ったのかといった結構細かい質問に回答していただいています。 アンケート前後の期間におすすめアレンジ投稿キャンペーンといった施策を挟んで、他者のおすすめアレンジを知ることで来店モチベーションが高まるのか、というような検証もしていますね。 小父内 コミュニティがあると、PDCAサイクルも回しやすいですよね。ちなみに、オンラインコミュニティの運営を始める上で、どのようなKPIを設定されたのですか? 岡田 初年度ということもありますが、コミュニティから施策を1つ以上生み出すということをKPIに設定していました。新しいおだしをローンチできましたので、2023年度のKPIは達成できましたね。 小父内 しゃぶ葉さんは、コミュニティ活用が非常に上手ですよね。コミュニティを通じて顧客とより良い関係を構築し、サービスに還元するという、理想のサイクルが実現できている印象です。さらに、顧客の声を収集するために、コミュニティメンバーと座談会をすることもあると聞きました。 岡田 座談会はオンラインで実施しているのですが、少人数でやっているのでその分濃い話ができているように感じています。直接会話することで私のひととなりに触れていただき、日頃から「しゃぶ葉の担当者に伝えたい」と思っていた想いをお伺いすることができてかなり盛り上がりますね。実際に座談会を通じて仲良くなって、横のつながりをつくってもらうということもできたと思っています。 小父内 信也 株式会社Asobica 取締役CCO
小父内 信也