「新だし開発プロジェクト」で販売数が激増!ブランドの“本質的な価値”を探りながらサービスに還元する、すかいらーくグループのコミュニティ活用術【対談】
コミュニティの持つ「双方向性」で、顧客の行動を細かく分析
小父内 2023年6月からコミュニティの運営をスタートしました。コミュニティのログイン率は弊社平均の1.4倍である80%、アクション率は平均の1.9倍の50%という非常に高い数字が出ています。何か意識した仕掛けはありますか? 岡田 最初の仕掛けとして、しゃぶ葉の開発メンバーとつながれるという部分と、しゃぶ葉にとってサービスのポイントとなる「おだし」の開発に参画できるといった部分で期待値の醸成を行いました。「開発メンバーとつながり大好きなしゃぶ葉をもっと良くしたい!」というモチベーションで参加していただくため、入部届として「しゃぶ葉の好きなところ」や「コミュニティでやってみたいこと」を100文字以上記述すれば合格率アップという条件を提示し、最初からロイヤルティが高いメンバーが集まるように設計しました。 他には、コミュニティ内ではフリートークでゆるく発信できる雰囲気を醸成し、しゃぶ葉のことに限らず何でも語り合って良いということにしています。しゃぶ葉ではおだしや具材などを自由に組み合わせて色々なアレンジができるのですが、他の人のアイデアを知りたいとか、自分の食べ方のアレンジを披露したいといったことも自由に発信してもらい、なかなか店舗や公式サイトでは伝えられていないような部分もお互いに発表し合って交流してもらっています。 小父内 たしかに、しゃぶ葉は具材もおだしも豊富、そこには相当なバリエーションがありますよね。自分が編み出したアレンジなどを共有するのは楽しそうです。 岡田 コミュニティを開設して、あらためて他の外食店としゃぶ葉での体験のどこが違うのかを分析してみました。その結果、一番違うのはしゃぶ葉のお客様は能動的な態度で来店する方が多いということでした。一般的な飲食店ではメニューの写真通りに出来上がった料理が提供されますが、しゃぶ葉では最終的な調理はお客様ご自身でやっていただきますので、言い換えれば自分でメニューを作ることができます。 自分が食材を選んで組み立てていくスタイルなので、どのようなアレンジを加えるのか、どうやったら写真映えする盛り付けができるのか、など本当に色々な楽しみ方ができます。さまざまな視点から自分を表現できる、いわば自己表現の場として活用していただけていると気付くことができました。