河川改修はもはや治水だけじゃない…引堤で広がる河川敷、完了地区ではイベントやスポーツ大会開催も にぎわい創出へ高まる期待 薩摩川内市の川内川流域
□ ■ □ 今後生まれる河川敷には、地元住民が大きな期待を寄せる。引堤中の天辰第2地区では、25年度中に下流側の約3万5200平方メートルが使えるようになる予定。 天辰を含む平佐西地区には22年3月、官民で活用策を考える協議会が発足した。これまでの会議で参加者から挙がった要望を踏まえ、国や市は芝と土の多目的スポーツ広場や、舗装したイベント広場などを計画。幅が最大100メートルと広く、地元は野球やグラウンドゴルフといった利用を想定する。 今後整備が始まる上流側には市内最大規模の芝生広場ができる予定。市の管理となり、地元からはサッカー場や駐車場を期待する声がある。同地区コミュニティ協議会の平三章会長(72)は「地区内にこれだけの空間ができるのは初めてで夢が広がる」と笑顔を見せる。 かつては人や物資の輸送に使われ、人々の生活と密接に関わってきた川内川。治水工事が進んで安心は増した一方で、人との距離は広がった。生まれ変わった河川空間を住民の満足と、外からの人の呼び込みにつなげられるかが、これからのまちの活性化の鍵になりそうだ。
南日本新聞 | 鹿児島