駆け込み給油 混雑 ガソリンや灯油値上げ 茨城
ガソリンや軽油、灯油の小売価格が上がる。政府が石油元売り会社に支給している補助金が19日から段階的に縮小されるためで、茨城県内では税込みで6円程度上昇し、レギュラーガソリン1リットル当たりの価格が177円台になる見込み。県内では18日、ガソリンスタンドに給油待ちの車の長い列ができ、消費者からは家計の負担を心配する声が上がった。 経済産業省が18日発表した茨城県のレギュラーガソリン1リットル当たりの価格は171円50銭。政府は来年1月16日にも補助率を下げることから、今月19日以降は177円台、来年1月16日以降は180円台を超える額に値上げされる見込みだ。 ■車列100メートル 18日午後、水戸市内にあるガソリンスタンドの前には、同日中に満タンにしようと駆け込み給油する車が多数訪れた。給油待ちの車列は長さ約100メートルまで伸びた。 同市赤塚の「エネオス赤塚SS日の丸石油」にも次々と車が来店。スタッフが休みなく給油、窓拭きなどの対応に追われた。同店長の青木俊輔さん(36)は「(来店の車は)通常1日約300台だが、ここ数日は1日500台の日もあった」と混雑ぶりを説明した。 冬場に暖房機器の燃料として使われる灯油は、税込みの店頭現金価格で18リットル2022円から100円程度上がる見込み。 同店に灯油を入れに来た水戸市の男性(80)は「温風ヒーターや風呂に灯油をたくさん使う。冬場に燃料費を高くされるのは、つらい」。満タン給油に訪れた同市、会社員、森下裕介さん(45)は「生活に直結するので、縮小はやめてほしかった」と、それぞれ家計の負担増を嘆いた。 ■心配 政府の補助金支給は2022年1月に始まり、レギュラーガソリンが175円より高くならないように調整されてきた。 資源エネルギー庁の調べでは、県内のレギュラーガソリン小売価格は21年10月に1リットル当たり161円90銭となり、23年7月に170円90銭を記録した後は170円を下回ることなく推移してきた。 補助金縮小が決まったのは11月22日だった。県内のガソリンスタンドなどが加盟する県石油商業組合の稲葉修一理事長(74)は「急に決まったため、19日以降に知り、驚く人も多いのではないか」と懸念し、「早めに告知する時間が欲しかった。消費者に申し訳ない」と話した。
茨城新聞社