発がん性…埼玉でPFAS超過、240倍も 汚染ルートが判明、発生源の事業所を突き止める 周辺で井戸水を飲まないよう注意を呼びかけ 川のほぼ源流域にある事業所、しかしPFASがなぜ発生したか原因不明
埼玉県さいたま市内の河川から、発がん性などが指摘される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出された問題で、市は17日、継続調査で発生源を突き止めたと発表した。 PFAS発生源が判明…一部地域で井戸水を飲まないよう注意を呼びかけられた大宮区【写真2枚】
発生源は、天王川のほぼ源流域に当たる事業所(浦和区上木崎2丁目)内から排出される地下水。事業所には現在、PFASが発生する要素はないため、原因は特定されていない。市は原因究明に努めるとともに、周辺住民に注意喚起する。 PFASは市が8月に実施した水質測定で、藤右衛門川の柳橋地点(南区)から国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)の3倍となる157ナノグラムが検出され、汚染された水が流れてきた天王川の雨水幹線内の上流地点からは240倍(1万2千ナノグラム)が検出されていた。 市によると、その後の調査で地下の雨水管が上下に2本重なった部分ではこれまで地上から水が取れていなかったことが分かり、改めて採水すると7900ナノグラムが検出されて汚染ルートが判明。上流を調べたところ、事業所の排水から1万8千ナノグラムが検出された。水は建物の地下の基礎部分から染み出している湧き水と雨水をためて定期的に排出しているものという。
事業所付近の井戸や湧き水を分析した結果、半径200メートル以内の2カ所から指針値を超える数値が検出されており、市は環境対策課にPFASに関する問い合わせ、相談窓口を設置。浦和区上木崎2、3丁目、大宮区北袋町1丁目の住民に、井戸水を飲んだり、料理に使わないようチラシ掲示や回覧などで注意を呼びかける。 問い合わせ専用ダイヤルは電話048・829・1460(午前8時半~午後5時)。