横須賀市外郭団体の社会福祉法人が職員全100人解雇へ 指定管理者に落選
横須賀市立の障害者施設を運営し、市の外郭団体でもある社会福祉法人「市社会福祉事業団」が18日までに、来年3月末で解散することを決めた。同施設の次期指定管理者の選考で選ばれなかったことが原因で、常勤や臨時職員ら約百人全員の解雇も決定した。職員は「驚きと不安を隠せない。利用者には、どう説明すればいいのか」と困惑している。 【写真で見る】利用者の保護者に解雇について説明するかがみ田苑の職員 事業団が運営するのは、支援が必要な重度の知的障害者を受け入れている市立福祉援護センター「かがみ田苑」(同市野比)。1987年のかがみ田苑開設から継続して運営し、現在は18歳以上の約50人が利用している。 しかし、今年10月、来年4月から5年間を担う指定管理者の選考委員会の選考で落選した。事業団の山田賢志常務理事は「当然(指定管理者を)取りに行くつもりだったが想定外の結果だった。どうすればいいのかという状況に陥った」と説明する。 かがみ田苑の運営は、事業団が行う事業の中核だっただけに今後の経営の継続が困難と判断。事業団が委託で運営している他の施設を含め、全職員を解雇せざるを得なくなった。16日の理事会で正式に解散を決定した。12日の市議会12月定例会本会議では、社会福祉法人「海風会」がかがみ田苑の新たな指定管理者とする議案が可決された。
神奈川新聞社