日銀・黒田総裁会見6月16日(全文4)財政ファイナンスではない
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の16日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が記者会見(2020年6月16日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が記者会見 ◇ ◇
上限のめどを示す意味合いは
日経CNBC:もう1点、すいません。3月の会合で当分の間、原則の2倍のペース、年間12兆円ペースでETFを購入するということを決めていらっしゃいます。この足元の株高もありまして、特に5月以降も購入ペースは、実際には落ちています。あるいは1回当たりの購入の単価っていう、金額も落ちている。そこだけ見ると当分の間は終わったんじゃないかみたいに見えないこともないんですけども、すでに18年夏、弾力的に上下しうるということをおっしゃっている中で、あえて12兆という上限のめどを示す意味合いっていうのは、どういうところにあるんでしょうか。 黒田:12兆円を上限に積極的に買うというふうに申し上げたわけでして、具体的にも3月の決定会合以降、かなり積極的に買ってきているわけですけれども、ご指摘のように実際の買い入れ枠は市場の状況、特にリスクプレミアムの動向に応じて上下に変動しうるということであって、株式市場でも一頃の緊張が緩和してきているために、リスクプレミアムも縮小しているっていうことで、ETFの買い入れ額が結果的には少なくなっていますが、新型コロナウイルス感染症の影響によって、やはり引き続き内外経済の不透明性っていうのは高いわけですし、株式市場も依然として神経質な状況にあると。ボラティリティー指標なども為替とか金利と違って元に戻ってないんですね。かなり高止まりしているわけですから。こうした下では、ETF買い入れはやっぱり当面、積極的に行うという姿勢を、方針を維持するということが適当だというふうに思っております。