友禅染ブランドを確立した宮崎友禅の像を修復、今年は生誕370周年
浄土宗総本山・知恩院境内の友禅苑(京都市東山区)にある友禅染の祖、宮崎友禅の像が修復を終え、除幕式と開眼法要が行われた。今年は友禅の生誕370周年の節目。建立以来初めての修復を行い、改めて友禅の功績をたたえた。 宮崎友禅は江戸時代に知恩院門前に住んでいた扇絵師。華やかな模様を手描きで染めあげた着物を大流行させ、京友禅のブランドを確立した。 像は昭和29年、友禅の生誕300年記念事業の一環として建てられた。一方、建立から70年が過ぎて風雨にさらされ、さびが目立つなどしていた。今月初旬、表面をコーティングして台座を洗浄するなどの修復を行った。 友禅染に関わる業者や団体でつくる宮崎友禅翁顕彰会が、友禅の命日に法要を行うなどの活動を重ねてきた。顕彰会の田村輝男会長は「厳しい時代ではあるが、京友禅は続いている。友禅翁の功績をしのんで盛り上げていきたい」と話した。(田中幸美)