日本気象協会 2025年春の花粉飛散予測 第1報 猛暑の影響で例年の2倍以上も
千代田区は飛散量の増減が大阪市ほど顕著ではありませんが、2024年春は、その前年(2023年)の夏が高温だったわりに飛散量は例年程度に留まりました。 2024年春の花粉飛散量は、九州から近畿と、北陸から東北南部はほぼ例年を下回り、例年比20~80%の所が多くなりましたが、これは2023年春の花粉飛散量が多かったことなどが影響したとみられます。関東甲信も例年並みか例年を下回った所が多くなりました。一方、東海と東北北部や北海道は例年を上回りました。 2024年春は花粉飛散量が抑えられた地域が多かったことから、2025年春は気象条件が揃えば 2024年に比べ飛散量が増加する地域が多いと考えられます。
予測の根拠 2024年夏の気象条件
花粉の飛散量は、前年夏の気象条件が大きく影響します。 2024年の夏は暖かい空気に覆われやすく、全国的にかなり高温になり、日照時間は、高気圧に覆われやすかった九州から東海でかなり多くなりました。6月は、各地で梅雨入りが平年より1~2週間遅れたこともあり、九州から北海道にかけてほとんどの地域で高温・多照となりました。7月から8月にかけても暖かい空気の影響で、気温は全国的にかなり高く、とくに7月は日本の平均気温は統計開始以来1位の高温となりました。 日照時間は、北陸や東北、北海道では少ない時期がありましたが、夏の期間を通してみると各地とも多くなりました。 今年の夏は花芽の形成に好条件な「高温・多照」という気象条件は、九州から北海道まで、ほぼ揃ったと考えられます。
予測根拠のまとめ
花粉の飛散量は、前年春の飛散量が少ないと増え、多いと減少する傾向があります。 2024年春の花粉飛散量は、九州から近畿と、北陸から東北南部では例年を下回り、関東甲信も例年並みか少ない傾向でした。一方、東海と東北北部や北海道は、例年を上回りました。また、今年(2024年)の夏は猛暑となり、花芽の形成に好条件な「高温・多照」という気象条件が九州から北海道までほぼ揃いました。 これらのことから2025年春の花粉飛散量は、例年に比べて、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、非常に多い所もあるでしょう。東北北部は2024年春の飛散量が非常に多かったことと、夏に日照時間が少ない時期があったことが影響し、例年より少ない見込みです。前シーズン(2024年)に比べると、九州から近畿と東北南部は非常に多く、北陸と関東甲信も多い傾向です。東海も前シーズン並みか多くなりますが、東北北部と北海道は少ないでしょう。 【花粉の種類について】 九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉の飛散量を表します。 【言葉の説明】 例年 :過去10年(2015~2024年)の平均値 前シーズン:2024年シーズンの飛散量 平年:1991~2020年の平均値
日本気象協会 本社 石榑 亜紀子