詩人・谷川俊太郎さん(92)死去…90歳を超えても創作に意欲的 谷原章介明かす「詩の言葉の力が世の中には必要と…」
谷川俊太郎の“生きる”とは?
90歳を超えても、精力的に創作活動を展開。 今年4月、92歳で「生命力」や「命」をテーマにした作品「生きてるってどういうこと?」を発表した際は、今後の活動についても意欲を見せていました。 (対談|谷川俊太郎 ×宮内ヨシオ『生きてるってどういうこと?』©光文社 より) 谷川俊太郎さん: ボクは大学にも行ってないし手に職もないし、とにかく食ってかなきゃいけなかったから、若い頃から来る仕事で自分ができそうなことは全部受けていたんですね。それが結構、自分のエネルギーになっていたんですね。 ――先生はこれからの作品は? 谷川俊太郎さん: これからってあと何年やるかわかんないのにさ、何か今まで経験したことがないことを感じられるといいなと思いますね。もう90超えてれば、ほとんど時間がないわけだけども、前からの経験じゃなくて、何か新しい90超えてたからこそ感じる何かがあると思うのね。それを何かの形で言葉にしたり表現したいと思うんだけど。 年寄りは若い人と違って全然発想が変わるんですよ。ある程度の人間になると。だから諦めてもいいとか絶望してもいいとか、そういうマイナスの価値が認められるようになってくる。 生きているということ いま生きているということ 鳥ははばたくということ 海はとどろくということ かたつむりははうということ 人は愛するということ あなたの手のぬくみ いのちということ (「生きてるってどういうこと?」 ことば 谷川俊太郎 絵 宮内ヨシオ ©光文社 より)
“現代社会”に必要なものは“想像力”
MC谷原章介: 僕も十数年前にどうしても谷川さんにお会いしたくて対談したことがあるんですけども、僕みたいな若輩者に対してもあれだけの方が決して上から目線で対応するわけでもなく、かといってへりくだるわけでもなく、普通にフラットに話をしてくださったのがとてもとても印象的で、数時間の滞在で谷川さんのご自宅でお話をさせていただいたんですが、近所に住まわせてもらってスッときたみたいな距離の近さと暖かさと。 おっしゃっていたのが、「最近はデジタルで、いろんなものがはっきり分かるように一見みんな見えるけど、実はまだまだわかってないことの方が多くて、だからこそ詩の言葉の力とか、想像力みたいなものがこれからの世の中にはとても必要なんじゃないかな」みたいなことを、とりとめのない会話の中でおっしゃっていたのが、印象に残っています。 お会いすると、ちょっとやんちゃな面だったりとかも80歳前後だったと思いますけど、ちょっとエロティックなところがあったりとか、すごく魅力的な方でした。 改めて詩集を読んでみたいと思います。お悔やみ申し上げます。 (『めざまし8』 2024年11月20日放送より)
めざまし8