腰痛のせいでゴルフをやめたくない… “練習・ラウンドをしながら”治療・リハビリが受けられる画期的プログラムとは?
重篤な腰痛の原因となるのは大きく3つ
それにしても、腰痛に悩むゴルファーのなんと多いことか。杉本医師は、その原因についても解説してくれました。
「日常生活では歩いたり座ったりは普通にできても、ゴルフでは7番ホールで歩けなくなっちゃうケースもあるわけです。原因は3つあります。まずは『アクシデント』。ラグビーの選手がぶつかって怪我したりとかするイメージです」 「次は『オーバーユース』。要するにやりすぎです。ゴルフで言うと、練習のしすぎとかがオーバーユース。部位とか筋肉とか、あげくに骨を使いすぎてなっちゃう。プロの場合は『球数打ってない』って本人たちは言うんですけど、実は打ってるんですよね。感性のスポーツでもあるので、自分が納得するまで打ちたいところがあるし、良くなってきたらそれを維持したいから打つという感じです」 「アマチュアの場合は、朝の練習とかはウォーミングアップが多いですけれども、プロの場合は、その日の球筋とかを感じたりとか、自分の調整とかバロメーターにも使って打たないわけにいかない、というケースですね。からだのどこかが悲鳴を上げているという場合は、代償筋、すなわち代わりの筋肉を、どれだけうまく使えるかっていうのが、すごく大切なんです。でも病院のリハビリ施設とかトレーニングジムで直線的なトレーニングばかりやってると、ここの筋肉だったらこっちを使おうとか、そういうことができないんです。高見プロが『上半身ばかりで打っちゃっていた』とおっしゃっていました。代わりの筋肉を使っていければ、オーバーユースにならないわけですよ」 「『ミスユース』が3番目。小学生にゴルフクラブを渡しておけば、勝手に球遊びをします。何の知識もなく、体と自分の感性に基づいてやるから意外と怪我しないんですよ。でも、ある程度大人になってくると知恵がついてきますし、人のものを見てこうしたいなとか、いいなとか思ったり、最近はYouTubeのゴルフもすごくあるので無理な動きをするケースが多いんです」 「例えばシャローイング(通常よりクラブが寝た状態でインパクトするスイング。シャローは日本語で『浅い』という意味)とかって言葉が2、3年前から流行りましたけど、それで本当に大怪我してる人をたくさん見てきました。それがたまたまハマってる場合はいいし、普通に振ったらシャローイングになっているだけの話の人も多いんですよ。でもシャローイングを求めてやるのは間違っています。パワーが絶対的にある人ができることで、日本人の骨格と筋肉ではやろうと思ってもできるはずがないんですよ。ある大学のゴルフ部の学生なんかは骨盤骨折してきました。『先生、やっと球が右に行かなくなったのに、ここで折れちゃいました』って。『アメリカのPGAツアーのプロがやってるからやらなきゃ』みたいなスイッチが入ったりすると、そういうことになる。やっぱり自分で感じてやってもらう、というのが一番いい」 多くの事例の原因を見極めたうえで柔軟に対応し、一旦はあきらめたゴルフを再開してもらう。そのために全力でサポートする体制が整っているのが「IKIGAI GOLF Academy」の「PREMIUM MEDICAL SUPPORT」であるというわけです。第1回はゴルフ場に重点を置きました。第2回は、他の施設の充実したサポート体制についてものぞいてみましょう。 取材・文/小川朗 日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
小川 朗(日本ゴルフジャーナリスト協会会長)