日銀・黒田総裁会見4月25日(全文1)平成はデフレとの戦いだった
2020年春ごろという期限にどういう思いを込めたのか
時事通信:時事通信の【カワムラ 00:14:27】です。よろしくお願いします。2つお伺いします。まず1つはフォワードガイダンスの修正なんですけれども、今お話がありましたように粘り強く進める方針を明確化したということなんですが、まず、この期限が2020年春ごろとしているこの期限にどういう思いを込められているのかということが1つと、この期限というのはこれまで当分の間で、やや曖昧にしてきた低金利の継続期間が少し延びたというふうに理解してよろしいんでしょうか。これが1点です。 もう1つが物価の見通しなんですけれども、21年度は1.6%ということですが、これは21年度末まで2%は達成できないということなのでしょうか。もしそうだとすると2%の達成時期について今現在のお考えをお聞かせください。 黒田:まず第1点のフォワードガイダンスにつきましては、基本的にはより明確化したということですが、ご指摘のように以前のフォワードガイダンスではこの10月の消費税率引き上げということを例示しつつ、経済・物価の確実性ということで当分の間、現在の非常に低い長短金利を継続するという言い方になっていたわけでして、どうしてもこの税率引き上げが予定されている10月が近づくにつれて、ガイダンスが想定している期間である当分の間という時間軸が分かりにくくなってきたということ。やや短く見られるような懸念があったということがありましてですね。 それに加えて何よりも最近になって、世界経済の不確実性というものがかなり大きく焦点になってきたということもありますので、それを合わせて当分の間というのがかなり長い期間であるということを明示したということでありまして。その意味で、少なくとも2020年春ごろまでということですから、当然のことながら従来、皆さんが考えておられたよりもだいぶ長い、少なくとも言っていますので当分の間っていうのはそれよりももっと、2020年の春よりももっと長くなる可能性も十分あるわけでして。そういった意味で当分の間というのが、かなり長い期間であるということを明示したということであります。 それから2番目の点は、おっしゃるとおり、この展望レポートの【イ 00:17:41】の体制の見通し、いわゆる中央値でいいますと、消費者物価指数の除く生鮮食品で見ましても、2019年度が1.1%、2020年度が1.4%、2021年度が1.6%ということになってまして、もちろんこれは2021年度の、2020年度に対する上昇率ですので、この2021年度の間の、12カ月の間のこの動きは別に明らかにしてませんので、この2021年度全体として1.6%であっても、2021年度中に2%に絶対ならないということも言えませんが、おおむね2021年度に2%に達する可能性は低いと。 従って、今回展望レポートで見通し期間を1年延ばしたわけですけれども、その下でもまだ2%に達するのはやはり展望期間の先になりそうであるということで。ただ、先ほど申し上げたように12カ月の間の物価の動きというのを特定してるわけではありませんので、2021年度中に2%になる可能性が絶対ないとも言えない、ということだと思います。どうぞ。