フロリダの別荘で会談調整中…トランプ次期大統領が途中退席しかねない石破茂首相の「話が長すぎる問題」
「忠誠心」が試される
そもそも両首脳のケミストリー(波長)が合うはずがない。トランプ氏へのブリーフィングは最長10分、できれば5、6分で済ませるというのが次期大統領周辺では必須とされる。一方の石破氏は自身が理詰めの人であり、周辺にも理に適った説明を求める。それはときに長時間に及ぶ。即ち、ネーションリーダー(国家指導者)として端から石破、トランプ両氏は肌合いが異なるのだ。 そこへ初対面の石破氏が気負いに任せて持論の「アジア版NATO」構想や「日米地位協定」見直しを持ち出したら、いったいどうなるのか。想像したくないが、よもや同盟国の首相に対しお得意の「You’re fired(貴方はクビだ)」とは言わないまでも、不快のあまり途中で退席しかねない。 ドナルド・トランプという政治家はそういう人間である。1月20日発足の「トランプ王朝」と言うべき新政権の重職人事でも分かるように、最も重視されるのが「忠誠心」なのだ。 それでも石破氏には全てに準備万端の秋葉剛男国家安全保障局長が同行している上に、トランプ氏には「猛獣使い」の異名を取るスージー・ワイルズ次期大統領首席補佐官が付いているのが心強い。 建設的な日米首脳会談になる事を切望するばかりである。 合わせて読みたい。【岸田総理の再登板も…まさかのトランプ大統領復活で、「大宏池会」構想が再浮上する「もっともな理由」】
歳川 隆雄(ジャーナリスト・「インサイドライン」編集長)