日本人のソウルフード“おにぎり”が世界を席巻!注目の専門店と、意外と深いおにぎり蘊蓄
おにぎりを包むもの 「江戸時代に北前船の中継地として栄えた富山では、とろろ昆布を巻いたおにぎりが昔から親しまれています。海苔以外で巻いたものでは、広島菜おにぎりも有名ですね。あとは、海苔を使わず表面に味噌を塗った、群馬の味噌おにぎりもユニークです。 また、海苔を巻く地域のなかにも違いがあります。代表例は関西の味付け海苔を巻く文化。ルーツは、明治天皇が京都へ行幸される際に東京土産として開発されたのが味付け海苔だったという説が有力。 だから関西では味付け海苔が好まれていて、京都や大阪などのコンビニでは、味付け海苔で巻いたおにぎりが並んでいることもあります」
おにぎりの人気具材と 専門家イチオシの海苔とお米
塩おにぎりにも体にしみるおいしさがありますが、具材選びもおにぎりを語るうえで欠かせない要素です。おにぎり協会主催の『おにぎりサミット』の第1回(2024年2月開催)で、コンビニ大手4の協力のもと発表された人気の具材ランキングでは、1位がツナマヨ、2位が鮭、3位が昆布でした。 「その一方で、専門店では個性的な具材が人気です。たとえば『おにぎりぼんご』では「卵黄+肉そぼろ」が人気メニューのひとつですし、新メニューではペペロンチーノなんていう個性派も。専門店は外国人のお客さんが多いというのもあって、ハワイのアヒポキ、韓国のヤンニョムチキンといった外国の料理を取り入れるケースも増えています」 おにぎりでは、基本となるお米と海苔選びも重要です。そこで中村さんにおすすめの銘柄をお聞きすると、「おすすめはたくさんありますよ。でもこれは各個人の好みなので、これが正解というのは難しいんですよね」と前置きをしたうえで、教えてくれました。 「海苔は、福岡・柳川市の有明海苔か、千葉県産の江戸前海苔が僕は好きですね。お米は、具材に合わせて選ぶのがおすすめです。濃厚系の具材なら『コシヒカリ』、よりもっちりした食感が好きなら『つや姫』や『ゆめぴりか』など。逆に繊細な味わいの具材なら、あっさりとした『まっしぐら』や『あいちのかおり』などはいかがでしょう。塩も同様に、産地や製法で甘味やうまみが異なりますから、ぜひいろいろ試してみてください」 基本の材料とは別に、中村さんがおすすめするのはかつお節やごまのトッピング。ひと手間加えるだけで、香りや食感が豊かになるとのことです。