日本人のソウルフード“おにぎり”が世界を席巻!注目の専門店と、意外と深いおにぎり蘊蓄
日本各地にもおにぎりの名店が点在
おにぎり専門店というと、「浅草宿六」「おにぎりぼんご」が多く話題にのぼりますが、実は日本各地にもさまざまな名店があります。 「老舗の代表格は、長崎の『おにぎり専門店 かにや』です。1965(昭和40)年創業のお店で、営業時間が18時から深夜までと、まさに“シメのおにぎり”。広島の1958(昭和33)年創業の『むすび むさし』も名店で、広島駅ナカにもあるのでぜひ立ち寄っていただきたいです。 北の名店には、1980(昭和55)年に札幌で創業されたチェーン店『おにぎりのありんこ』があります。ここはおにぎりと豚汁のペアリングが楽しめます」 近年注目なのは、おにぎり居酒屋に人気店が現れてきたこと。岩手・盛岡には日本酒バーとしての顔ももつ『握り飯 銀香』、大阪・北新地にはボクシングの世界チャンプが店主の『おにぎり竜』があります。 「さらに各地域の個性派を挙げるなら、富山でジビエのおにぎりを販売する独立系コンビニ『立山サンダーバード』。おにぎり専門店ではないですが、見逃せない一軒ですね。また、おにぎりの価値を高めていく存在としては、佐賀・嬉野の温泉宿で会席スタイルのおにぎりを供する『おにぎり神谷』が注目株です」
おにぎりには地域の風習・風土が現れる
各地域の話題が出たところで、意外と知られていない地域ごとの傾向も教えていただきました。そこにはその土地ならではの知恵も隠れています。
おにぎりの形 ・俵型 「三角型のコンビニおにぎりが普及する前、つまり手作りおにぎりが主流だった時代までは、関西では俵型がメジャーだったようです。これは、江戸時代の大阪で芝居を見ながら幕の内弁当を食べるのが流行ったことの名残だと言われています。俵型なら弁当箱に収まりやすく、さらに小ぶりなので箸でつまみやすいですからね」 ・三角形 「形の由来は諸説ありますが、三角形に富士山など山の神様をイメージし好意的に捉えている地方があります」 ・ボール型 「お米が育ちにくい土地では、菜っ葉などを混ぜておにぎりをかさ増しする必要があり、米だけで握るおにぎりよりもまとまりにくいから、ぎゅっと握りやすい丸型が多いという話を聞いたことがあります」 ・円盤型 「東北地方には平べったい円盤型のおにぎりが多いという傾向も。寒い地域はおにぎりを焼いて温めることが多く、円盤型のほうが内部まで熱が通りやすくなるからだと言われています」