コロンビアで国際同性結婚をした僧侶 LGBTQの課題を明るく伝える手本に
LGBTQ当事者ではない立場の人は、何ができるのか
フアン:世界には、同性愛を罪だとみなし、有罪とする国もある。一方で、日本では、私たちが手を繋いで歩いていても、罵声を浴びせられたり石を投げられたりする危険はほぼありません。その点においては、日本は安心できる場所だと思います。 とはいえビザの問題があり、日本で暮らせない国際同性カップルも大勢いるはずです。日本にはこれから、法で認められている人たちと同じ権利を、すべての同性カップルが享受できるような社会になってほしいと思っています。 同性婚、国際同性カップルの課題について、当事者ではない立場の人は何ができると思いますか。 西村:同性婚に対してのマインドをアップデートしたり、国政を変えるために選挙で投票したりすることが重要だと考えています。なぜ日本では同性愛者に結婚の自由がないのか。一人ひとりが、「なんでだろう」と考えてみてほしいと思います。 フアン:私は、我々のような同性愛者を自分とは関係のない人として見ないでほしいと思っています。私たちはたまたま同性愛者でこのような発信をしていますが、見えてこないだけで、世の中にはさまざまな生き方をしている人がいます。そういう人たちの声にも耳を傾けてみてください。自分とは違う人生を歩んでいる人と出会ったとき、ぜひそれをチャンスと捉えて「こんな生き方もあるんだ」と気づき、視野を広げてみてほしいと思います。 西村:日本人だから、コロンビア人だから、〇〇人だから、男だから、女だから、同性愛者だから……。そういった違いがあったとしても、その垣根を超えて仲良くなれる人は大勢います。お互いの魂がつながり合い喜びを分かち合える。それは驚きでもあり、平和への一歩でもあります。 日本ではまだ、LGBTQや婚姻の平等について3歩進んで2歩下がるような、ゆっくりとした歩みかもしれません。しかし、日本の法律は時代と共に変わると確信しています。私たちはこの課題を「つらいんです」「大変なんです」と悲観的に伝えたいのではありません。まだまだ課題は多くあるけれども、私たちは楽しく伝えていきたい。こんな幸せなカップルがいるんだよと、明るく伝える手本になり、社会に広げていきたいですね。
尾崎 悠子