イーサリアム大型アップグレード「デンクン(Dencun)」とは? L1とL2の違い、EIP-4844など解説
イーサリアムの「デンクン(Dencun)」を解説
暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」の市場オペレーション部 清水健登氏によるコラム/レポート連載。今回は「イーサリアムネットワークの次回大型アップグレードであるデンクン(Dencun)」がテーマです。 ================================== イーサリアムネットワークの次回大型アップグレード「デンクン(Dencun)」まで一週間を切りました。本稿では、デンクンの概要を簡単に振り返ります。 本文に移る前に、イーサリアム財団のサイトを紹介させてください。イーサリアムについて調べていると専門的な用語が数多く出てきますが、なるべく一次情報(公式サイト)にあたることをおすすめいたします。 中でも開発者向けドキュメントとして和訳された「イーサリアム入門」には、有益な情報がたくさん掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。 日本語の情報は最新でない可能性がありますが、これは翻訳が非営利(無償)の有志によって行われているため(カバー率は84%程度)です。日本語の情報が不足していると思われる場合は、言語を英語に変更して確認されるとよいでしょう。 ●デンクン(Dencun)とは デンクンとは、ビットコインに次ぐ時価総額第2位(3月6日現在約68兆円)の暗号資産「イーサリアム(ETH)」をネイティブ通貨とする「イーサリアムネットワーク」の次回大型アップグレードです。イーサリアム財団の発表では、デンクン・アップグレードの日時は3月13日 22時55分(13:55 UTC)頃を予定しています。前回の大型アップグレード「シャペラ(Shapella)」が行われたのは2023年4月13日(日本時間)であり、約11ヶ月ぶりの大型アップグレードです。 シャペラ(Shanghai + Capella = Shapella)同様、今回のアップグレードもコンセンサスレイヤーのアップグレード(はくちょう座の一等星デネブ(Deneb))と実行レイヤーのアップグレード(Devcon3の開催地カンクン(Cancun))の2つが組み合わさったアップグレード(Deneb + Cancun = Dencun)となっています。