ウクライナの戦後復興に「日本の技術が必要」ゼレンスキー大統領が広島で会見(全文2完)
G7サミット出席のため広島を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領は21日夜、市内で会見を行った。 【動画】<G7広島サミット>ゼレンスキー大統領が広島で会見「私たちは人類の歴史から戦争をなくさなければならない」(2023年5月21日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【動画】<G7広島サミット>ゼレンスキー大統領が広島で会見『私たちは人類の歴史から戦争をなくさなければならない』(2023年5月21日)」に対応しております。 ◇ ◇
原爆資料館の中で印象に残った資料は
記者:広島のテレビ局、RCCです。今回、広島に来られて、原爆資料館をご覧になったわけですけれども、その原爆資料館の中で印象に残った資料などありましたら教えていただきたいと思います。もう1点は、広島の被爆者の中には、ゼレンスキー大統領にとって今回のサミットに参加することで国を守るための兵器などの支援を要請することも大事なのかもしれないが、せっかく、被爆地広島を訪れているんだから、もっと戦争を終わらせるための和平に向けて話し合いをしたほうがいいのではないかと、広島で行われるサミットで違和感があるという声があります。その声にどう応えますか。 ゼレンスキー:ご質問ありがとうございます。広島で受けてしまった惨事がウクライナで起きている破壊とは、もちろん歴史的に比較するのは不適切でしょうが、正直に言いますと、先ほどの質問がバフムトの質問だったんですけれども、本当に正直に言います、破壊された広島の写真がそっくりバフムトおよびバフムトのような写真に似ています。何も生きているものがない、全ての建物が破壊されている、どこに道路があって、どこに建物があったかはまったく想像がつかない完全な破壊、人も誰もいない。
共同の価値観を守るための共同の働き
ということで、象徴的な比較にはなりうるかもしれないんですけれども、今私たちはこの素晴らしい近代的な街、生きている街、平和な街、人の命および価値観に対する尊敬を表した街になっています。広島の原爆のときの写真と今の街を比較できました。ウクライナのバフムトでも必ずこのような復興が将来、再建が必ずあるということです。 また武器の依頼とかお願いとか、そういうことよりは、今、日本のリーダーシップに大変感謝したいことは、私どもがこの対話のために誘われているということです。共同の努力です。共同の価値観を守るための共同の働きです。ウクライナでは数千平方キロメートルが完全に破壊されてしまっています。プーチンが来たドンバス地域には特にまだ先ほどの記者の方から質問がありましたように、命を、ロシア語話者の命を救うために来たと言われているこの地域が、実はロシア語話者ほとんどが住んでいた地域だったんです。広島の写真に似ているような風景になっているのが今のドンバスです。 記者:先ほど原爆資料館、平和公園を訪れましたけれども、何か印象に残ったことは。 ゼレンスキー:ご質問ありがとうございます。確かに大変恐ろしい内容の写真がたくさんありました。小さい子供たちが原爆のもう前の日を見ると涙が出ます。実はウクライナでも毎日のようにこのような写真を見たりします。どうして人間がこれができるのか、特に子供に対して、どうして、どうやって人間がこういう恐ろしいことができるのか。実はこれが私は医者ではないので、この病気はどういう病気であるか判断できないんですけれども、これだけは大変な病気を持っているロシア人を理解することができません。 ただし、広島の原爆の写真がとてもウクライナの写真に似ています。「人影の石」の話をしたんですけれども、実は日本の広島のあの写真と同様に本当にウクライナにとっても共通の気持ちが多いです。プーチンがウクライナからもう影だけを残したかったでしょうけれども、それは私にとってそういう連想となりました。