【宮崎祐樹連載#41】“プロ野球上がりで保険やる人はきっと営業成績も…”なんてことを言う人へ
【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(41)】前回の当欄では現職である保険業を選択するに当たって、タイムリーな助言を下さったオリックス・山崎勝己バッテリーコーチの話などをさせていただきました。今回はリアルに現在の仕事について語らせていただきたいと思います。 どうですか、皆さん。一般的に保険業の方々が会社に訪問してくると言われたら嫌じゃないですか? 何か売り付けられるんじゃねえかとか、お金を持っていかれるんでしょとか…。そんなにウエルカムな雰囲気にはなりませんよね。 これは野球選手だって変わりません。よく「プロ野球上がりで保険やる人、多いですもんね。そりゃ毎年、何人も選手が入ってくるんだから営業成績も上がるんでしょうね」なんてことを言う人もいます。でも、何となくお分かりでしょうけど、そんな単純な世界ではございません。 駆け出しのころは2020年でコロナの真っただ中でした。見込み顧客との対面すらできず、商品をご提案する前段階での苦労などもありました。そこから時代が動き出し、リモートでの打ち合わせなど一気に進んでいきましたよね。あの期間のおかげで、リアルの良さもリモートの良さも分かる大人になれた気がします。 コロナの真っ最中は業界全体が厳しい結果だったのだろうと予想される方々も多いと思います。でも、そんな時代であっても結果を出す人は存在する。これが現実なんです。株価も上昇した企業があるわけですから。 自分はまだまだこれからの保険マンですが、周りに助けられ、ご縁を大切に一歩一歩成長している途上だと思っています。野球選手やからと思ってこの業界ナメてるでしょ?みたいなことをもっと言われるかと心配していましたが、今のところそれはほとんどないですね。 僕はこの業界に入る時に決意したことがあって、それを妻にも伝えています。「もう野球界には戻らん気でいるよ」ということと「保険業を辞めない」ということです。 僕にオファーがあるかどうかは別として、プロ野球のコーチをやりながら顧客のフォローをできる保険マンなんてイメージできませんよね。明日の試合を勝ちにいくためのデータと、金融商品のアップグレードの知識を同時に勉強できる器用な人もいません。また、あと5年で保険業撤退します!と宣言している営業マンに大切な資産を預ける人もいませんから。 何を言いたいかというと、僕は覚悟を持って今の職を選んだということなんです。選手たちからすれば僕は先輩かもしれません。その立場を利用して食事に誘って保険営業活動を行う。そんなふうに思われないだろうかなど、心のブレーキみたいなものはあると思います。 でも、実際の僕はもう野球選手の前で保険の話はしませんし、本当に普通に食事を楽しんで野球の会話を楽しみます。僕が何をやっていて、どういう形で役に立てるかという説明はしたとして、保険のお話は相手から聞かれるまで僕からは話しません。必要になった時、僕を一番に思い出してもらえるように努力するだけです。
宮崎祐樹